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2本目の矢

「仏教を勉強している人と、仏教を知らない人は どう違うんですか?」

というお弟子さんの質問に、 

お釈迦様は

「仏教を勉強している人も 知らない人も、 予期しない流れ矢に当たってしまうことはあるけれど、

 仏教を勉強している人は、次に飛んで来た矢を避けることができますよ。」

と答えました。

 

お釈迦様は 何を言いたかったのでしょうか?

 

例えば、都会の雑踏の中を歩いていて、偶然 人とぶつかってしまうのは

仏教を勉強していようと 知らなかろうと、同じ最初の矢。

 

仏教を勉強している人は、これでおしまい。

 

仏教を知らない人は、

「だれだ俺にぶつかって来たのは、痛いじゃないか!

 おかげで落として汚してしまった俺の荷物は どうしてくれる?!」

と2本目の矢に当たってしまう。

 

それで 相手が

「悪いのはおまえの方だろう!」

と喧嘩にでもなって、ケガをしたりすれば、それは3本目、4本目の矢になります。

 

でも今は、このお話を 本稿のお説教にしようなどとは 全く考えていません。

「その話、聞いた事があるよ」という人は多いでしょうし、

「ふーん、あっそ。」 と聞き流す人もいるでしょうし、

「また坊さんの説教か。」 と聞く耳をもたない人もいるでしょう。

 

ただ、私は このお話を思い返してみて、

「世の中 生きている間には いろんな事があるんだよなぁ。」 と突発的な不幸を覚悟し、

「怒っちゃだめだよなぁ。」 と自戒し、

「気にしない、気にしない。」 と ポジティブ思考を心掛けようと考えるだけです。

 

気にしない、気にしない。 

今日はここまで!

 

 

「お釈迦様をひとりじめ   その1」

 

 

 

今回の記事は 以前 天台宗埼玉教区布教師会報の「法のともしび」第27号に書いた

「お釈迦様をひとりじめ ~中年坊主の独り言~」 から編集して載せています。

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