いまひとつ盛り上がりに欠ける北海道新幹線の新函館延伸開業まで残り5ヶ月余りとなった。
初年度から3年間で150億円程度の赤字が想定されるということだ。これでは祝う気にもならない。
並行在来線の江差線を引き継ぐ「道南いさりび鉄道」は、大幅な運賃の値上げをしても、開業後10年間で23億円の赤字が見込まれる。その上、利用客はどんどん減っていくのは明白なのだ。
北斗市の高谷寿峰市長が「並行在来線は暗い話ばかり。正直、したくないな」と語ったのは十分に理解できる。
とは言いながら、新幹線は待望していたはずなので、それは言い過ぎではないかと感じるが(笑)
並行在来線は、JRが切り離すことは出来ることにはなっているが、法的にも地元自治体が運行を引き継ぐ義務はない。
地元民の交通手段の確保ということで、やむを得ず運行するというのが実態だ。
それに江差線の場合は貨物輸送の大動脈であるということで、廃線は当初から選択肢にはなりえなかった。
15年後と予定されている札幌延伸では約250キロの函館本線が並行在来線となり、JRは運行を取りやめるだろう。ただし、当然に運賃収入の見込める札幌・小樽間は運行を続けるに違いない。
おそらく新函館・小樽間の函館本線は、道南いさりび鉄道以上の厳しい運営が予想される。
そして、この路線も新函館・長万部間に貨物列車が走るため、やはり第3セクターで運行せざるを得ないのだ。
この際、木古内から長万部までの区間は国の所有・管理としてJR貨物が借用するような上下分離での貨物専用線にすることを真剣に考えてはどうか。
利用客の見込めない在来線は、当然のように第三セクターで旅客輸送をするのではなく、利用状況からしてもバス転換を前提とすることが妥当ではないかと考える。
これは、全国の並行在来線を運行している三セク路線について言える。
そうでなければ、いずれはほとんどの三セクは行き詰ってしまうと考える。
果たして、ここまでして新幹線が必要だったのかと思うが、作り出してしまったものは止められないだろう。
旭川延伸などと、呑気なことを言い出す向きもあるようだが、本当に必要なのか良く考えてからにして欲しい。
もう、高度成長は大昔に終わったのだ。50年後には日本の人口は八千万人台まで減少し、高齢化率は40%を超える。
人の動きもかなり少なくなる。もっと現実に目を向けて、交通ビジョンを考えて欲しいものだ。
以下は、JRの労働組合の機関紙からの抜粋だが、ご紹介しておきたい。最近は労組悪者論が流行りのようだが、とても「嘘」を書いているとは思えない。
近年は、労働組合の存在意義を実感できない非正規雇用の労働者が増えたために理解できないのだろう。社労士の私から見ると、今の会社員は気の毒なくらいに労働法の知識がないことに驚かされる。
「この間の開業準備の過程で、保線部門を始め全部門で人材や資材が新幹線関係に取られ、在来線の体制維持が弱体化した。それが車両や設備の老朽化と相まって、レール異常の放置や不具合の頻発などを引き起こしてきた。新幹線の開業準備を最優先し、在来線は保守や除雪の手が回りそうもなければ運休にする、徐行運転にするというのが、新経営陣の発想だ。実際にそれは、昨冬の大量運休で実証された。」
初年度から3年間で150億円程度の赤字が想定されるということだ。これでは祝う気にもならない。
並行在来線の江差線を引き継ぐ「道南いさりび鉄道」は、大幅な運賃の値上げをしても、開業後10年間で23億円の赤字が見込まれる。その上、利用客はどんどん減っていくのは明白なのだ。
北斗市の高谷寿峰市長が「並行在来線は暗い話ばかり。正直、したくないな」と語ったのは十分に理解できる。
とは言いながら、新幹線は待望していたはずなので、それは言い過ぎではないかと感じるが(笑)
並行在来線は、JRが切り離すことは出来ることにはなっているが、法的にも地元自治体が運行を引き継ぐ義務はない。
地元民の交通手段の確保ということで、やむを得ず運行するというのが実態だ。
それに江差線の場合は貨物輸送の大動脈であるということで、廃線は当初から選択肢にはなりえなかった。
15年後と予定されている札幌延伸では約250キロの函館本線が並行在来線となり、JRは運行を取りやめるだろう。ただし、当然に運賃収入の見込める札幌・小樽間は運行を続けるに違いない。
おそらく新函館・小樽間の函館本線は、道南いさりび鉄道以上の厳しい運営が予想される。
そして、この路線も新函館・長万部間に貨物列車が走るため、やはり第3セクターで運行せざるを得ないのだ。
この際、木古内から長万部までの区間は国の所有・管理としてJR貨物が借用するような上下分離での貨物専用線にすることを真剣に考えてはどうか。
利用客の見込めない在来線は、当然のように第三セクターで旅客輸送をするのではなく、利用状況からしてもバス転換を前提とすることが妥当ではないかと考える。
これは、全国の並行在来線を運行している三セク路線について言える。
そうでなければ、いずれはほとんどの三セクは行き詰ってしまうと考える。
果たして、ここまでして新幹線が必要だったのかと思うが、作り出してしまったものは止められないだろう。
旭川延伸などと、呑気なことを言い出す向きもあるようだが、本当に必要なのか良く考えてからにして欲しい。
もう、高度成長は大昔に終わったのだ。50年後には日本の人口は八千万人台まで減少し、高齢化率は40%を超える。
人の動きもかなり少なくなる。もっと現実に目を向けて、交通ビジョンを考えて欲しいものだ。
以下は、JRの労働組合の機関紙からの抜粋だが、ご紹介しておきたい。最近は労組悪者論が流行りのようだが、とても「嘘」を書いているとは思えない。
近年は、労働組合の存在意義を実感できない非正規雇用の労働者が増えたために理解できないのだろう。社労士の私から見ると、今の会社員は気の毒なくらいに労働法の知識がないことに驚かされる。
「この間の開業準備の過程で、保線部門を始め全部門で人材や資材が新幹線関係に取られ、在来線の体制維持が弱体化した。それが車両や設備の老朽化と相まって、レール異常の放置や不具合の頻発などを引き起こしてきた。新幹線の開業準備を最優先し、在来線は保守や除雪の手が回りそうもなければ運休にする、徐行運転にするというのが、新経営陣の発想だ。実際にそれは、昨冬の大量運休で実証された。」