ルリボシカミキリ(Rosalia batesi) Blue Longhorn-Beetle with Black Spots
毎年この季節になると、ルリボシカミキリやヤマトタマムシが見たくなる。
晴天が続いた土曜日の夜、私が次の日の天気予報を見ながらまさにそんなことを考えていると、虫の研究をしている先輩からサンプリングへの誘いの電話があった。もちろん私が大喜びしたことは言うまでも無い。
日曜日。雲ひとつない空、ジリジリと照る太陽。世の中、もうすっかり夏になってしまったようだ。
この日の私は、ポロに半ズボン、サンダル、そして麦わら帽子を装備した、いかにもな格好。大きな麦わら帽子は電車やバスを乗り継ぐ間は頭の後ろに下げておいたけれど、いささか恥ずかしかったのは否定できない。
バス停からしばらく歩いて、アオゲラとガビチョウの鳴く秘密の小路を通り抜けると突然、目の前にうずたかく積み上げられた丸太の山々が姿を現した。
このような丸太の山は、例えるならば宝石の採掘場。初夏の僅かな期間、このような場所にタマムシやカミキリの類が産卵しに来るのだ(発生するものもいるかもしれない)。だから、私達はただ日陰の丸太に腰掛け、丸太のそこかしこに目を配っておけば良いのである。上手くいけば、宝石たちが向こうから飛んでくるのを見つけることが出来る。
そして、ついにお目にかかることの出来たルリボシカミキリは、とびきり晴れ渡った夏の青空のような色をしていた。
初めにやってくるこの雄はやがて、雌を誘引するためにコーリングをし始めた。
【2011/07/10/東京 Tokyo,Japan/Jul.2011】