ベニアジサシ(Sterna dougallii bangsi) Roseate Tern
お昼の後。海岸沿いに車を走らせていると間もなく、コバルトブルーの海上を何羽もの白い海アジが乱舞している光景が目に飛び込んできた。
私が慌てて車から降り海辺に出ると、群れで飛びながら採餌していたそれらが、休息のためにすぐ近くの堤防へはらりはらりととまり出したではないか。嘴と足が赤くて美しい、ベニアジサシだ!
まとまって飛翔していた群れの半分が私達の目の前に舞い降りると、群れのもう半分はまた採餌をしながら、またさらに分散しながら静かなワンドの中を飛んで行った。
私と友人は灼熱の日差しの中で、まるで体感温度をすっかり忘れてしまったかのように座り込んでしばらくベニアジサシ達を眺めていた。こういうスパイスの利いた生き物に出逢うと、全ての意識がそちらに向いてしまうというのはいつものことである。なんという幸せな空間なのだろう。
しばらく経った後ふと浜辺を見ると、打ち上げられたのかオリイオオコウモリの亡骸が転がっていた。また、いつの間にか離れた場所にいた友人は魚のミイラ(友人が後で言うにはクロホシマンジュウダイだったらしい)をつついていた。
エリグロアジサシ(Sterna sumatrana) Black-naped Tern
ベニアジサシの中に少数が混ざっていたエリグロアジサシ。
【2011/06/23/沖縄本島 Okinawa Island,Japan/Jun.2011】