舞い降りた藍い鳥

2010-11-06 21:40:13 | 鳥(Birds)

ヤマムスメ(Urocissa caerulea) Taiwan Magpie


台湾の人は話好きで、私達が機材を持って歩いていると台湾語で気さくに話しかけてくる。
「何探してるの、台湾藍鵲(ランチュィ)?ああ、見つかるといいね。」
とまぁ、言葉は分からないけれどおおよそこんな内容だ。

森の切れ目から山の稜線を見ると、カンムリワシが飛んでいた。ヒメアマツバメとコシアカツバメも飛び回っている。沢にはカワビタキと、いきなりとんでもない声がしたと思ったらその主は大きなルリチョウだった。キセキレイもいる。
神奈川に帰化しているため日本でも見慣れたタイワンリスは、やはりあの特徴的な声で鳴いては樹の幹を走ってルリチョウと威嚇し合っていた。
ゴシキドリは、遠くの木と木の間を飛んだ。オウチュウは見晴らしの良い木の梢でフライングキャッチをしている。

だいぶ日が高く昇った頃、目的の鳥が飛んできた。
藍色の羽衣を纏ったヤマムスメである!
なんと、屋台の人が置いたブドウの実を食べに降りて来ていたヤマムスメは、神々しいイメージとは裏腹に何か台湾の人みたいな懐っこさを感じさせた。
飛翔の際には尾羽が段々になって開くため、世にも美しい。





【2010/09/21/台湾、台北 Taipei,Taiwan】

朝日射す睡蓮池

2010-11-05 23:44:26 | 鳥(Birds)

コサギ(Egretta garzetta) Little Egret

睡蓮が覆う池では、朝日を背にしてコサギが餌を探していた。
足場がしっかりしていない場所に踏み込んだコサギは、おっとっと、と翼を広げてバランスを取る。




エビを捕らえた時、飛沫が朝日で光った。



タイワンオナガ(Cyanopica cyana) Azure-Winged Magpie

実の生る木にはタイワンオナガが群れでやって来た。
色んな声を使い分けていて、「キュコン!」と1音で鳴いたり、「キュルキュル」とムクドリのような声を出したり、また「ゲェケケケ...」と、スイッチを押すと笑う動物型のペンみたいな声も出す。
色々な場所で聞こえるこれらの声を、覚えるまで相当惑わされてしまった。
ボルネオシラガオナガの色違いのような外見をしている。

鯉が泳ぐ池では、何故かラットが5匹以上でスイスイと泳ぎまわっていた。そのあまりの違和感に、思わず笑いがこみ上げてきた。


【2010/09/21/台湾、台北 Taipei,Taiwan】

晴れた朝、森が目を覚ます頃

2010-11-04 06:54:26 | 鳥(Birds)

カワビタキ(Rhyacornis fuliginosa) Plumbeous Water-Redstart


台湾に到着した飛行機から降り立つと、既に暗い建物の外はとんでもない豪雨だった。
なぜなら、この台湾には台風が直撃した直後の渡航だったからだ。日本を発つ前に見たタイワンリスの特集をした自然番組の中で、台湾では台風が過ぎ去っても悪天が続く、などと述べていたため、桃園国際空港から台北市内へと向う安いバスの中でも不安で頭が一杯の私だった。
土砂崩れ等の影響により、いくつもの森林遊楽区が閉鎖状態となっている事がこの晩にホテルのフロントで知らされた。開通の見通しがつかない場所もあったため、移動疲れでボーっとした頭を叩き起こしながらその場で一から日程を組みなおす羽目になってしまった。

翌日、夜明けと共に起きだした私達は、便利なMRTや安いタクシーを駆使して市内の陽明山へ向った。
天候は、昨晩の豪雨が嘘の様に快晴である。

初めての場所、初めての風の匂い。けれど、初めてではないのはこの胸の高鳴り。
台湾へは今年の3月にも来ているけれど、陽明山には来た事が無かった。海外に来て、はじめに踏み出すフィールドほど期待に胸膨らむことはない!






はじめに姿を見せたのはこのカワビタキ。
沢沿いをちょこまかと飛び回っていて、腰から尾羽にかけて赤い雄が、「ヒッヒッヒッ....」というジョウビタキのような声で鳴いては、腰の白い雌を追いかけていた。
渓流の水の灰青色をそのまま映したような蒼は、光の当たり具合により灰色にも青色にも見える時がある。


【2010/09/21/台湾、台北 Taipei,Taiwan】

サイハテからの使者

2010-11-02 23:52:39 | 鳥(Birds)

キョクアジサシ(Sterna paradisaea) Arctic Tern

夏のこと。
知人数名からの連絡によりこの鳥が近くの海岸に出現していることを知った私は、翌日の夜明け前には家を飛び出していた。
日が丁度昇り始める頃、海岸に到着するとすぐに目に付いたキョクアジサシは、渡り疲れてテトラポットの上で羽休めをしていた。とまり姿がちょこんと可愛く見えるのはこの脚と頸、嘴の短さによるものだろう、比べて長い翼と尾羽がクールさを一段と引き立てる。
写真には収まらなかったけれど、翼をグッと上方向に広げて伸びをした際には半透明に見える初列の内弁から眩しい朝日の光が反射した。
まさかここにきてCOLLINS-BIRD-GUIDE2の表紙を飾る鳥を目の当たりにするとは、なんて朝だろう。



アオバト(Sphenurus sieboldii) Japanese Green Pigeon

キョクアジに満足して振り返ると、順光にアオバトが。やはり雄は凄い色。



アオバズク(Ninox sctulata) Brown Hawk Owl

ついでにアオバズクも見て、登校。


【2010/07/23/神奈川 Kanagawa,Japan】