静かな夕暮れ

2010-11-12 22:05:33 | 鳥(Birds)

マミハウチワドリ(Prinia inornata) Plain Prinia

夕方。辺りがだいぶ暗くなった頃、駅裏の農耕地。
誰も居ない水田の畦道を歩いていると、なにやら潜行性の高い鳥が稲の中で動いているのが見えた。しばらくして、その鳥がやっと水田に突き出た枯れ草にとまってこちらを見たと思ったら、それはマミハウチワドリであった!日本でも記録のある鳥だ。
なんと小さい鳥だろう、手元の文献には全長14cmとあるけれど、尾羽がその約半分ほどを占めているために本体は相当小さい。まるでオーストラリアムシクイのようだ。



シマアカモズ(Lanius cristatus lucionensis) Brown Shrike

南西諸島でもお馴染み、シマアカモズ。



オウチュウ(Dicrurus macrocercus) Black Drongo

畦道を歩いていたのはこのオウチュウに近づきたかったからなのだけれど、意外に警戒心が強くて中々近づかせてくれなかった。日が暮れて、全てをバッグにしまい込んだ後に、思いの他近くに来た。


【2010/09/21/台湾、台北 Taipei,Taiwan】

What are you looking for?

2010-11-11 21:03:34 | 鳥(Birds)


ズグロミゾゴイ(Gorsachius melanolophus) Malaysian Night Heron

鳥が餌を探して徘徊する時、一見それは何も考えずに動いているように思えるけれど、決してそうではない。
北米で、民家の庭の芝生の上で餌を探すコマツグミの行動を観察した実験では、コマツグミは餌のミミズを捕らえた後に進む1度の距離は、何も捕れなかった時に比べて明らかに短く、曲がる角度も異なるという結果が得られている。




このような姿勢をとっているのを見ると、ズグロミゾゴイは見ると同時に獲物が立てる音を聞いているようにも思えてくる。





【2010/09/21/台湾、台北 Taipei,Taiwan】


Looking

2010-11-10 23:32:12 | 鳥(Birds)


ズグロミゾゴイ(Gorsachius melanolophus) Malaysian Night Heron

暗い林床では、スグロミゾゴイの幼鳥が静かに歩いていた。
じっ、と地面を見つめてしばらく微動だにせず、餌のミミズを探している。
とても真剣な眼差しに、時が止まったようにさえ思えた。



“何か用?”





【2010/09/21/台湾、台北 Taipei,Taiwan】


鉄の心

2010-11-09 23:21:03 | 鳥(Birds)

アマサギ(Bubulcus ibis) Cattle Egret


この写真、何か違和感を感じないだろうか。そう、アマサギが妙に近く感じる。
それもそのハズ、マクロレンズによるものなのだから。

―ラデンキンカメムシを見た後、一旦コンビニにに寄ってテレホンカードを買い、公衆電話に向った。台風の影響でかき回された計画のために、これから泊まる宿の予約をし直さなければならなかったからだ。
日が傾き始めた午後、私達が次に向ったのは関渡自然公園。ここは干潟や汽水池、低木林が点在する野鳥公園のような場所である。

多くの鳥は木陰で活動を休止しているであろう日照りの午後。
1羽、淡水池で採餌していたのはこのアマサギだった。なんてことはない、アマサギなのだけれど、見た瞬間になんと言うか、なんとなく“とてもお近づきになれそうな”気がした。
そこで、人に近づく猫のようにおもむろにアマサギに近づいた私は、ごろんと横になって攻撃の意志がないことをアマサギに伝えた。一方アマサギは、“なんだこの妙に馴れ馴れしい人間は”とばかりに私を一瞥した後、私の横を素通りした。
その後このアマサギは、私に目を合わせないように集中して池を見ていたけれど、それを見つめる私との距離はわずか1メートルほどであった。







オニフスベの仲間

てっきりオニフスベと思いきや、オニフスベは日本固有種のようだ。では Langermannia gigantea あたりだろうか。



タイワンシロガシラ(Pycnonotus sinensis formosae) Chinese Bulbul

自然公園に入ってすぐの林を抜けると、開けた場所に出た。
タイワンシロガシラとインドハッカがガヤガヤと騒いでいて、特にタイワンシロガシラは星の数ほどもいた。インドハッカの群れの中に1羽だけジャワハッカが混ざっていたのを友人が見つけた。キジバト、オウチュウ、タイワンオナガはここにもいる。
汽水池の方を見ると、カイツブリ、カルガモ、セイタカシギ、イソシギ、ヨシゴイ、バン、シマキンパラ、カワセミ....


アフリカクロトキ(Threskiornis aethiopicus

そして辛うじてアフリカクロトキが見られた。



クビワムクドリ(Sturnus nigricollis) Black-collared Starling

林床で採餌していて、すぐに飛んだクビワムクドリ。台湾の本島ではまだ少ない鳥。


【2010/09/21/台湾、台北 Taipei,Taiwan】

ラデンの園

2010-11-07 22:15:32 | 蟲(Bugs)

ラデンキンカメムシ(仮称) Scutellera amethystina


昼になり、ヤマムスメの群れも山奥に帰った頃。
同行した友人が言う、「なんか綺麗なカメムシいますよ」。
「よくぞ見つけた!」興奮して駆け寄ると、それはそれは綺麗なキンカメムシだった。

日本に帰って調べてみると、最近日本でも沖縄や奄美で記録があるようだ。
日本でも記録があるのに、まだ日本の図鑑には載っていないイキモノ。何か迷鳥を見たような気分である。
なんてことはない場所に2匹いたのだけれど、近くにアカギの樹があったのだろう。

写真に収めてみると、表にも裏側にも微細な毛が生えているのがわかる。
光の当たり具合によって玉虫色に見えたり、またオレンジ色に見えたりする不思議な体色。
まさに螺鈿の真珠層が放つ虹色光沢に例えるのが相応しいと言えよう。





【2010/09/21/台湾、台北 Taipei,Taiwan】