映画 ご(誤)鑑賞日記

映画は楽し♪ 何をどう見ようと見る人の自由だ! 愛あるご鑑賞日記です。

ヘルタースケルター(2012年)

2014-06-28 | 【へ】

★★★☆☆☆☆☆☆☆

 制作に携わった多くの方々、特に、主役を演じた沢尻さんには申し訳ないけれども、本作こそ、THE「どーでもよい映画」と言ってしまいたくなる、恐ろしいほどくだらない作品でした。

 原作は未読ですが、これはやり方次第でいくらでも面白く作れた作品だと思うのです。テーマは普遍的なものだし、沢尻さんは押しも押されもせぬ美女で華もある、脇を固める俳優陣も超豪華、ってことで、こんだけ恵まれた素材を手にしながら、このつまんなさは、これいかに。

 もしかして、本作はブラックコメディーのつもりで撮られたんですかねぇ? シーンにそぐわぬクラシックBGMとか、ヒジョーにシュール感があって、もしやこれはコメディーのつもりか、と思わざるを得ませんでしたが、それにしちゃぁ、全体のグロテスク感は中途半端、大森南朋の役に至っては存在意味すら不明、ということで、見ている方は完全に置いてけぼり状態な訳ですが、、、、はて。

 まぁ、物語からイメージする写真集を作るのとは違うのですから、画にこだわるのはもちろん結構ですが、肝心要の「映画作品」にすることにもう少しこだわっていただきたかったですねぇ。いっそ、ヘンにセリフとかストーリーとか考えないで、あくまでイメージ映像だけでつないでアート系を狙うという手もあったと思うのに(まあ、もっとハードルは上がりますが)、それにしては、想像&創造力がいかんせん足りなかったのでしょうか。折角の沢尻さんの体当たり演技も、ただの宣伝シーンに成り下がってしまい、同情さえしてしまいました。

 しかし、、、本作を見て一番思ったのは別のことでした。本作に限らず、「こんな映画が世に出ることができるのに、これよりはもう少し良いと思われるシナリオコンクールの作品が世に出られないなんて、あんまりじゃないか!!」ということは、常々他の作品を見ても思うことがあったのですが、今、公開されている『超高速!参勤交代』のように、城戸賞くらいじゃないですかね、コンクールからきちんと能あるライターを掘り起こしているのは。

 そう、どうせお金を掛けて映画を作るのならば、せめてまともなシナリオの作品を撮っていただきたいのです。本作の脚本を書かれた方も、フジTVのヤングシナリオ大賞出身の方ですが、どーしてこんなお粗末なシナリオを書かれたのでしょうか。プロになるとこうならざるを得ない、というのなら、今の邦画界では脚本家を育てる土壌がないということも考えられます。良いシナリオが良い映画になる保証はどこにもありませんが、少なくとも良い映画には良いシナリオがなければなりません。それでいて、脚本家・シナリオライターの地位は依然として低いままです。監督と同じくらい、脚本家の存在はもっと尊重され、尊敬されてしかるべきなのです。

 邦画制作関係者の皆さんには、もっと、脚本家を大事に、ポスターや広告、パンフ等には監督名と同じ大きさで脚本執筆者名を載せていただきたいですね。まずはそこからでしょう。そうでないと、邦画界のお先真っ暗だと思います。漫画やゲーム原作の作品ばっかりでいいんですか?

 ま、才能ある脚本家が監督やっちゃうようになって、つまんない作品量産していらっしゃる方もいますので、一概には言えませんけどね。
 
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする