映画 ご(誤)鑑賞日記

映画は楽し♪ 何をどう見ようと見る人の自由だ! 愛あるご鑑賞日記です。

イヴ・サンローラン(2014年)

2014-09-13 | 【い】



 一目あったその日から、恋の花は咲いてしまい、生涯、イヴ・サンローランのパートナーとなるピエール・ベルジェ。天才のイヴを公私にわたり支えるが、イヴは自らの才能に押しつぶされそうになり、神経をすり減らしてドラッグ&アルコールに走り、ピエールとの仲も何度となく危うくなる。

 しかし、その一方で、イヴは何度もデザイナーとしてはよみがえり、世界を牽引する伝説のイヴ・サンローランに・・・。観客とモデルの拍手・賞賛に包まれ、彼はステージ上ではにかむ。

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 何でも、ブランド公式認定映画とか。個人的に、ファッションに対する興味はごくごく人並みであり、ブランドにも詳しくないし、当然ファッション史など無知と言って良いレベル。ただ、ベルジェの全面バックアップの下に作られたというだけあって、これでもかと溢れる華やかな衣装の数々は、まさしく絢爛豪華そのもの。これらを見るだけでも、本作は一見の価値アリかもです。

 まあ、いくら無知でも、イヴ・サンローランがゲイだったことくらいは知っていたわけですが、結構、ゲイのラブシーンが頻繁で、これはちょっと参りました。まあ、きわどいところでカットしてくれているのでぎりぎりセーフではありましたが、それでも何度もキスシーン見せられるのはちょっとツラいとこ。

 冒頭で、彼がいかに天才だったかを描写したシーンが出てきます。そして、自身のブランド立ち上げ直後のショーの最後に、観客の前で挨拶のお辞儀をするシーン。ここで、イヴがどんな人かを端的に描いていて、秀逸だと思いました。

 、、、ただ、まあ、こういう天才アーティストにありがちな「ゲイ+ドラッグ+アルコール」が3点セットで出てくると、これが史実なんだから仕方ないのだけれど、なんつーか、もう食傷気味で、オエッ、って感じでして・・・。あー、ハイハイ、と言いたくなるというか。そういう描写がかなりしつこく出てきたから余計にそう思ったのかも知れませんが、別にここまでその描写にこだわる必要って・・・、まあ、やっぱりあるんでしょうねぇ。

 3点セット抜きに、彼の人生が語れないのは分かるけれども、そこでもがきながらも、いかにデザインの世界で苦闘したか、どうやってデザインを生み出していったのかに焦点を当てても良かったんじゃないのかしらん。他のライバルデザイナーに抱いた対抗心とか、世界にもっと認められたいという向上心とか、虚栄心とか、そういう苦しみもあったんじゃないかと思う訳です。それが、全部3点セットにつながるんだよ、と言われたら、はいそーですか、としか言いようがないんだけれど、これじゃあんまり芸がないんじゃないでしょうかね。

 ま、その辺りが、ベルジェのバックアップの限界だったのかもという気もします。ベルジェとの関係性に重きを置かざるを得なかった、、、とか。邪推ですけど。小耳にはさんだところでは、ブランドの許諾を得ていない、別の「サンローラン」映画が近々公開されるらしいのですが(イヴをギャスパー・ウリエルが演じているそうです)、こっちも見比べてみると面白いかもです。

 ところで、本作は、彼の晩年は描かれておらず、バレエ・リュスのコレクション発表がラストシーンとなっています。バレエ・リュスといえば、こないだまで開催していた「魅惑のコスチューム バレエ・リュス展」に行きそびれたのだけれど、あー、つくづく惜しいことをしたものだと本作を見て改めて後悔。映画と違ってリバイバルとかDVDとかないからなぁ・・・。行きたい、と思った催し物には、必ず行くべし。


アーティストにはお約束の3点セットの描写が食傷気味な作品



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