作品情報⇒https://eiga.com/movie/89244/
以下、DVD販売元竹書房HPよりストーリーのコピペです。
=====ここから。
19世紀イギリスの地方の村。母親や兄たちを失った少年ピップは姉とその夫ジョーの家に引き取られ、貧しい生活を送っていた。ある日墓地で、脱走した受刑者マグウイッチと遭遇、食べ物を持ってこいと恫喝する彼を憐れんだピップは家の大事な食事を盗んで彼に与える。
その後、裕福なミス・ハヴィシャムの屋敷に招かれ、そこでエステラという美しくも冷酷な少女と出会って好意を抱くが身分違いのためそれ以上の関係には進めない。
成長し鍛冶職人になったピップのもとに突然、謎の人物から莫大な遺産を受け取れるという申し出が舞い込んでくる。しかしそれにはある条件がついていた。それに従い、田舎からロンドンに出てきたピップを怒涛のように襲う、数奇な運命。
果たして遺産の持ち主の正体は、そしてその目的は何なのか……?
=====ここまで。
チャールズ・ディケンズの同名長編小説が原作。これまで何度も映像化されている。
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日本では劇場未公開。原作も未読で、過去の映像作品もいずれも未見。お話だけは何となく知っているけど、、、という程度で、HBCの出演作という理由のみで見ました。意外にも豪華キャストでビックリ。
◆ヘレナを見るために見たんだからね、、、。
まぁ、名作と言われる小説が原作なので、恐らく原作はきっと面白いのだと思うが、本作は、残念ながらあんまし面白いとは思えなかった。ヘレナが出ていなければ、感想を書く気にもならなかったかも。
面白くない理由はいろいろあるんだろうけど、個人的には、大人になったエステラが全然魅力的じゃなかったから。これに尽きる。
ホリデイ・グレインジャーという人が演じているが、この人、『ジェーン・エア』(2011)や『アンナ・カレーニナ』(2012)にも出ていたらしいけれども、全く記憶にない、、、。ということは、あまり印象に残らない役者さんなんだよな、多分。そもそも、ピップの心を奪い生涯にわたってその心を捕え続けるという魅力的な美女という設定ながら、ホリデイさんはちょっとその器ではない感じ。まあ、キレイだけどね、、、引力は感じないよね、残念ながら。
なので、見ていてちっとも心躍らず、ヘレナが出てくるシーンだけが楽しみだった。やっぱし、映画では、特にこのようなラブストーリーが絡んでくる話では、非現実的なくらいに魅惑的な美女とかにご登場願いたい訳よ、見ている方としてはさぁ。美女と言っても、別に正統派の誰もが認める美女でなきゃダメと言っているのではなく、普通に美人でも圧倒的な“何か”が備わっていて欲しいのよね。原作でのエステラはどんななんだろうか。この映画と同じようなキャラなのかしらん。
まあ、でも、本作の陰の主役は、ヘレナが演じたミス・ハヴィシャムと言っても良いかも知れない。そう思えば、エステラが残念でも、まぁいいのか、、、。
ヘレナ演ずるミス・ハヴィシャムは、エステラがかすむほどにインパクト大。結婚式当日の姿のまま何十年も屋敷に籠りっきりの生活をしているというちょっとイッちゃってるおばさん役がハマっていた。彼女はヘンな役を多く演じてきたけれど、同じヘンな役でも、こういうミス・ハヴィシャムみたいなヘンさだったら彼女の持ち味が上手く出ると思う(もちろんこれは、ティム・バートンへのイヤミです)。
一応の主役ピップは、金持ちになった途端にアッと言う間に自堕落になり、あまりにも類型的でなんだかなぁ、、、という感じ。原作でもそうなんですかね?? まぁ、原作は、金持ち批判的な背景があるということだから、ピップのこういう描写もそれの一環なのかな。
原作がそうなのだとしたら、本作のラストは、かなり原作とはテイストが異なるということになる。金持ちじゃなくなったピップの愛の力でエステラの凍った心を氷解させるという、一応のハッピーエンディングになっている。
後半でいろんな謎解きが一気にされていく辺りはテンポも良く、それなりに見せてはくれるけれども、心にグッとくるモノは何もないといってもよい。
◆レイフ・ファインズ&ヘレナ
鍵になる人物マグウイッチを演じていたのが、レイフ・ファインズなんだけど、こんなに汚い(見た目が)役を演じているのを見たのは、『嵐が丘』(1992)以来かな。何と、本作の20年前!! ヒースクリフより、大分髪の毛が後退していた。まぁ、正直、ヒースクリフもちょっと???という感じだったけれども、本作でもマグウイッチはちょっと彼には合っていない感じもした。もちろん、彼は上手いし、十分素晴らしかったのだけど。
ピップの姉役はサリー・ホーキンス。どうも私は彼女を見ると、松金よね子さんを思い出しちゃうんだよなぁ。似てませんか、お二人。役柄も結構通じるところがあるように思うし。欲求不満なヒスおばさんを実に上手に演じておられました。はまり役。
それにしても、ヘレナはやっぱりイイなぁ。ミス・ハヴィシャムには若すぎるのでは、という指摘もあるらしいが、原作はどうなのか知らんが、原作を知らない私にはゼンゼン若すぎるなんてことはなく、過去のショッキングな出来事から逃れられない病的な女性を、そのまんま体現していたように感じた。こういう“いるだけで演じてしまえる”役者さんって、やっぱりなかなかいないと思うのよね。雰囲気というか、オーラというか、、、。役に合ったそういうものを醸し出せるのが、それが役者の能力なんだろうけど。『シンデレラ』(2015)のフェアリー・ゴッドマザーも素敵だったし。
彼女が出演していた『オーシャンズ8』(2018)はバートン作品じゃないのに劇場に見に行かなかった。見たかったといえば見たかったのだけど、サンドラ・ブロックとかアン・ハサウェイとか、イマイチね、、、。 ケイト・ブランシェットは好きだけど。まあ、DVDは見よっかな。
……というわけで、映画の中身についてはほとんど何も書く気になれず、いつも以上にどーでもよいレビューとなってしまいました、、、ごーん。
原作を読んでみよう!