作品情報⇒https://moviewalker.jp/mv79969/
以下、公式HPよりあらすじのコピペです。
=====ここから。
恋人アランを亡くしたショックから、現実逃避するように過食を繰り返してきたチャーリー(ブレンダン・フレイザー)は、大学のオンライン講座で生計を立てている40代の教師。歩行器なしでは移動もままならないチャーリーは頑なに入院を拒み、アランの妹で唯一の親友でもある看護師リズ(ホン・チャウ)に頼っている。
そんなある日、病状の悪化で自らの余命が幾ばくもないことを悟ったチャーリーは、離婚して以来長らく音信不通だった17歳の娘エリー(セイディー・シンク)との関係を修復しようと決意する。
ところが家にやってきたエリーは、学校生活と家庭で多くのトラブルを抱え、心が荒みきっていた……。
=====ここまで。
☆゜'・:*:.。。.:*:・'゜☆゜'・:*:.。。.:*:・'☆゜'・:*:.。。.:*:・'゜☆゜'・:*:.。。.:*:・'☆゜'・:*:.。。.:*:・'゜☆
実は、本作を見たのはGW中。公開前にチラシを見て興味があったので予備知識なく見に行ったのだけど、うぅむ、、、あんましピンと来なかった。
見終わって、基は戯曲と聞いて納得(後述)。ほとんどの場面はチャーリーの部屋で完結しているし、登場人物も限られる。
主人公のチャーリーは、体重が272キロにまで増えてしまって死を予感する毎日を送っているのだが、死ぬ前に生き別れている娘と和解したいと望んでいる、、、という設定で、娘エリーとの和解がなされるかが本作の主たるストーリーである。
結果的に、和解を思わせるラストで終わり、チャーリーはまもなく死んでしまうのだろうが、一応はハッピーエンディングということなのだと思われる。
映画として悪くないとは思うけど、好きか嫌いかと聞かれれば、正直なところ、好きじゃない。なぜかって、チャーリーのことが好きになれなかったからである。巨漢だからでも、家族を捨てたからでもない。
終盤で、チャーリーは多額の金を蓄えていることを元妻に打ち明け、それを全てエリーに遺したいと言うのだが、これを聞いて、私の気持ちはズッコケた。ナニ、この自己満オヤジ、、、と。彼の娘に対する罪滅ぼしということだろうけど、だったら、エリーの養育費ちゃんと払って来ればよかったやん、と思う。大きくなってからだって現金もらえれば、そら有難いに違いないけど、別れた妻はエリーを一人で育てて来たのであり、元妻は苦しみからかアル中になっており、これまでの過程でお金があったらどれだけエリーを育てるのに役立ったかと思うわけで。お金ってのは要は使い方なんですよ。間の悪いときに大金ドカッと一度にもらってもね、、、。
何でそんなお金をこっそり今まで蓄えていたのかという、チャーリーの真意を描いているシーンがないので、結局カネかい、、、としか思えない。金さえ遺しゃ多少の贖罪にもならぁ、、、っていう発想が卑しくないか?
この展開によって、結局、チャーリーという人間は、どこまでも身勝手で自分のことしか考えていないヤツ認定してしまったのでした。いや、自己中大いに結構!なんだけど、こういう自己満なことをして、自己満のうちに死にたい、、、っていう根性が嫌いだ。とことんエゴイストとして生きればええやん、と思うのよ。そんな覚悟もなく、家族を捨ててまで恋人に走ったんかい、、、ってね。
そもそも映像化した意味があんましないような。だって、見ていて、これ戯曲やない?と思ったわけだから、それはほとんど舞台を見ているのと変わらない印象だった、、、ってことよね。
メルヴィルの『白鯨』が重要なファクターになっているのは分かるが、白鯨になぞらえられた巨漢のチャーリーについては、白鯨ほど微に入り細を穿った描写はないし、設定が設定だから、チャーリーの部屋に娘や友人や宣教師が入れ代わり立ち代わりやっては来るが、あまりドラマに深みはない。
せっかくの特殊メイクで、巨漢過ぎて動けなくなったチャーリーの、白鯨さながらの達観した生き様を面白おかしく描いている映画かと勝手に想像していたら、思いっきり空振りしてしまったというわけでした。
何となく手ぶらで帰るのも悔しいので、一応パンフを買って帰って来たのだが、春日武彦氏のコラムがあってちょっと報われた気分。やはり、こういう映画では、精神科医の見方を知るのは興味深い。
チャーリーの姿を初めて見た宅配ピザ屋の兄ちゃんの反応が酷過ぎる。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます