まさに女難のダンディー(?)産婦人科医トラヴィス。やっとこさ出会った、この人こそ! と思える女性ブリーは、しかし、彼がこれまでのモテモテ人生で知らず知らずのうちに自分で塗り固めてきてしまった「女なんてこんなもの」を遥かに超えた女性であった・・・。ごーん、、、(鐘の音)
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リチャード・ギア、好きじゃないわぁ。にやけ切った顔は、まあ、仕方ないとして、俳優としてそんなに深みのある人に思えないんだよなぁ。別に彼じゃなくてもイイじゃん、的な存在というか・・・。とにかくそう思ってきたわけです。本作を見るまでは。
本作では、産婦人科医であるからして至極トーゼンと思われるんだが、とにかく女に囲まれたドクター・T=トラヴィスなる男を演じておいでです。彼は、ルックスも良く、人当たりも良いので患者(年増のオバサンが多いんだが)からモテモテであり、恐らく、若い頃から女にモテモテだったことが察せられます。
彼は、自分に迫ってくる女=彼の医者としての名声&イケメン&モテ男&お金持ちを目当てにしている女どもには飽き飽きしています。一方で、妻は幸せすぎるが故に神経を病んで離婚したいと言い出し、2人の娘たちもちょっと問題アリ。彼はきっと毎日こう思っていたことでしょう。「ったく、女ってのはどーしよーもない」
しかし、彼の前にちょっと雰囲気の違うステキな女性ブリーが現れ、どーしよーもない女どもに、遂に愛想を尽かした彼は、ブリーにプロポーズするんです。
・・・が。
そのプロポーズの言葉に、彼がこれまでどーしよーもないと思っていた女どもにすっかり毒され、世界中の女を十把一絡げで見下していたことが露呈しており笑えます。「君はもう働かなくていい! 一生、楽できる! 何の心配もない!」、、、、もう、救いようのないバカです、トラヴィス。
だーかーらー。魅力のある女ってのは、男に寄っ掛かって生きる、なんてことはしないんだってば。もっと言っちゃえば、男に幸せにしてもらおうなんて思っていない、期待していないわけ。てゆーか、男に期待していない、というよりは、「男性性」に期待していないのね。パートナーに期待するものがないわけじゃないが、それは「自分を幸せにして」ではなく「一緒に幸せになろう」なわけ。
そういう、きちんと年齢を重ねてモノを考えてきたおじさんだったら普通に分かっていることを、モテモテに甘んじて脳みそ働かせてこなかったトラヴィスはゼンゼン分かっていない。これは、メチャクチャ可笑しいです。すごいピエロでしょう。
本作はネットで見ると評判イマイチなんですけれど、恐らく、ここで笑えるか否かが評価の分かれ目ではないでしょうか。私は噴き出しましたが・・・。
で、思ったのです。こんな大馬鹿野郎なピエロ役を、他に誰が演じられましょう。そう、ギア様しかいないでしょう、これは。
トラヴィスに迫られたブリーが彼に見舞った一言が痛烈。「イヤだわ、そんな生き方」、、、そらそーでしょ。残念なのは、自分がピエロだと、この期に及んで、砂漠にまで飛ばされていながら、気付いていない風なトラヴィス氏。能天気にboyを逆さにして笑っています。もう一度言います、「救いようがありません」。
ま、でも、世間にはいくらでも「男に幸せにしてもらいたい」可愛いorキレイな女はゴマンといらっしゃるので、何も世のハイスペック殿方は絶望するには及びません。でもって、そういう女性が好きな男もいるのです。需要と供給の世界ね。
アルトマンさま、素晴らしい配役でございます。またまた脱帽です。でも、ラストがなんだかヘンテコだったので、★1コマイナスです。
モテモテ産婦人科医の実態は男尊女卑思想のピエロだった
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