映画 ご(誤)鑑賞日記

映画は楽し♪ 何をどう見ようと見る人の自由だ! 愛あるご鑑賞日記です。

みつばちの大地(2012年)

2014-07-15 | 【み】

★★★★★★★☆☆☆

 アメリカの養蜂家、ジョン・ミラーは言っていた。「みつばちは可愛いよ、頭は良くないけどね・・・」、、、そ、そーかなぁ。頭良いと、私は思うんだけれども。

 というか、働きバチは、そもそも頭使っていない、という意味で言えば、頭が良いも悪いもないわけで。本作を見ると、働きバチは、もうその命の使い方がDNAにしっかりプログラミングされており、生まれたら死ぬまで、そのプログラムに支配されて働き続けるわけね。これはもう、ただただひたすらに、働く、働く・・・。確かに、けなげで可愛い。細かい毛が一杯生えた体を花粉だらけにしているみつばちは、本当に、可愛い。

 映像が素晴らしい。無人ヘリ等で接写していて、迫力も美しさも、言葉にするのが難しいくらい。働きバチにも心があるみたいに思えてくるんだからスゴイ。

 昨今のみつばちの大量死や失踪(蜂郡崩壊症候群「CCD」)の原因が、特定物質を含んだ農薬だと言われ、それは科学的にも証明されていて、本作でもそれが出てくるし、冒頭に挙げたジョン・ミラーの養蜂に至っては、(彼自身自覚しているが)ハチに対する愛情が感じられないし、みつばちを取り巻く環境が厳しいことはどうやら確からしい。しかし、本作は、別に犯人捜しをしているわけではなく、みつばちを通して環境問題を垣間見ている、そういう作品だと思う。このままでは良くないんじゃないかなぁ、、、という監督の素朴な疑問。

 パンフには、ある大学の先生が寄稿しており、みつばちの大量死や失踪が問題になっているが、総個体数が「激減」しているわけではない、という。CCDだけフォーカスしてヒステリックに騒ぐことに、この先生は明文化してはいないけれど懐疑的なのがよく分かる。なので、本作の構成にも全面的に与していない。ただ、みつばちにとって、環境が過酷になりつつあることは事実だし、みつばちが全世界の食物の3分の1の受粉を担っていることを考えると、彼らの活動しやすい環境を整えることが、ひいては世界の環境改善に寄与するのではないか、という論旨だ。

 いずれにしても、みつばちは「家畜」であることを、ついつい忘れがちなんだけれども、みつばち1匹が生涯に集める蜜の量は、なんと小さじ2分の1杯に過ぎないと聞いて、「みつばちさん、ありがとう」と思わず手を合わせた。だって、私は、ハチミツを切らすことができない人なのである。ほとんど毎日摂取している。しかも、結構惜しげもなくダボダボと・・・。本作を見た数日後にハチミツが切れて、今、不安だから買いに行きたいんだけど、ああ、あのハチミツは一体何千匹のみつばちの働きのおかげか、と思うと、なんとも切なくて買いに行くにも足が向かないのである。でも、このままだと、確実に禁断症状だし、ああ、やっぱり買いに行かなきゃな・・・。

 本作は多分、ギンレイで数か月後に上映されると思う(根拠はありません、ただの予想)ので、そうしたら再見に行きたいと思っている。DVD化されたら、それも見たい。感動するとかそういう類のものではないけれど、あの素晴らしい映像をもう一度見たい。

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