イラン大統領死亡、墜落ヘリは1960年代開発の米国製ベル212…制裁下で部品調達困難
2024/05/22 00:28
https://www.yomiuri.co.jp/world/20240521-OYT1T50152/
記事を読んで呆れました。
イラン革命後、多分前パーレビ王朝時代のヘリを接収してその後も使い続けていたようです。
アメリカが、事故後変なことを言っていました。
「イランから援助の要請があったが、出来なかった・・」
事故の救助要請だと思っていましたが、違っていてこの旧式のヘリの部品を買いたい・と言うことだったようです。
イランでは、イスラム革命後多少は民衆の要求に譲歩した部分もあります。
しかし政治の実権を握る宗教指導者が頑迷固陋で、本来必要な様々な改革を阻害しているのだろうと思います。
イラン革命は1971年から1972年まで続きました。
パーレビ王朝を打倒した後、主導権争いが起きてその後宗教勢力が権力を握りました。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A4%E3%83%A9%E3%83%B3%E9%9D%A9%E5%91%BD
パーレビ王朝が、アメリカの援助を受け脱イスラーム化と世俗主義による近代化政策を取った反動で、新政権は極端なイスラム国家になりました。
宗教が政治の全ての基本です。
しかし現代は中世ではありませんから、それで上手く行くはずがありません。
無理やりそれで政治をやって国内を弾圧的に統治してきたのが、今も続いています。
宗教は、基本的に変化を禁止します。
だから、骨董品のようなアメリカのヘリのベル212を使用し続けてきたのであろうと思います。
大統領が乗るヘリは、これ!と決めたので革命後、これまで使用を続けてきたのでしょうね❓
しかも、天敵のアメリカに部品購入を頼む情けなさです。
宗教で国を統治する限界と弊害が見えます。
普通なら❓
ソ連との関係がありますから、ソ連から新型のヘリを買えばいいでしょう❓
古くなれば買い替えれば、いいでしょう❓
こんな常識的なことが、戒律により出来ません。
去年は女性のスカーフ着用をめぐり女子学生が死亡しました。イラン全土で抗議デモが吹き荒れました。
デモ参加者に逮捕者続出、死刑になった人もいると思います。
これを弾圧しているのが宗教警察であり、軍事的に支えているのが革命防衛隊です。
イラン革命は、イランを中世の宗教国家に引き戻してしまいました。
そこで、サウジの話が出てきます。
『2016年4月に発表された「サウジ・ビジョン2030」(社会・経済改革)<2024.05.22』
https://blog.goo.ne.jp/kitanoyamajirou/e/f054b99b0fabbee2ea7f0bdab2c6efb6
極端に宗教戒律が強かったサウジにも近代化の波が押し寄せ、皇太子が主導して社会・経済改革のビジョンが示されました。これが2016年です。
以後、サウジは急速な変化を遂げています。
イランの場合は、1960年代から1970年代にかけてパーレビ王朝が社会改革に取り組んでいます。
確かにアメリカの影響が強かったかもしれませんが、土着の政権です。もし、そもまま改革を進めればイランは西欧の良い部分を取り入れた近代的な中東の強国に成長していたかもしれません。
宗教革命は結果としてそれを阻害して、イランは今も宗教的戒律の強い遅れた閉ざされた国です。
自由化を進めようとした大統領もいましたが、宗教勢力に排除されました。
結果としてイランは、宗教独裁軍国主義国家になりました。国内の不満を抑えるために外国に敵を作り徹底的に対立します。そして周辺国の内紛に介入し、常に地域を不安定にします。
イラン国民の多くは、それを望んではいないと思います。
まだいたのか❓
『元皇太子がライシ師非難 イランの体制転換訴え』
2024/5/21 10:16
https://www.sankei.com/article/20240521-WYJSYF4F3JNJTNGZ6WWNYPVNHE/
パーレビ王朝の元皇太子がまだいます。
その影響力を恐れたから、イランは一層宗教独裁を強めたのかもしれません。
今のままでは、全ての人が不幸です。
宗教独裁から合議制の世俗主義の政治に変えていかないと21世紀、イランが発展することはないと思います。
歴史もあり国土が広く、国民の数も多く資源もあります。
イランが普通の国家になれば、自然にイランは発展していくと思います。
イラン国民のために、残念ですね❓
※関連記事目次
項目「アフリカと中東」の目次①
https://blog.goo.ne.jp/kitanoyamajirou/e/8e2281cde3859a8659b62d9f1680c9d2