突然ですが
「有体に」という漢字
読めますか?
嘘偽りのないことを意味します。
正解は「ありていに」でした!
わかりましたか?
有り体に」の意味
「有り体」は「ありのまま。うそ偽りのないこと」「世間並み。ひととおり」という意味です。
「ありてい」「有体」と書くこともあります。
「ありてい」と読みます。
「体」を「てい」と読みますので、「ありたい」などと読み間違えないよう気をつけましょう。
今回の「有り体に」は最初の方の意味で、「ありのままに」「うそ偽りなく」という意味になります。
「有り体に」の使い方
「有り体に」は「有り体に言えば」などの形で使います。
「有り体に言えば」で「ありのままに述べると」「本音を言うと」というような意味になります。
「有り体に言えば……」と前置きのようにつけることで、言いにくいことや普段なら遠慮して言わないようなことを、今は率直に話しますよということを表すわけです。
例文で使い方を確認しておきましょう。
【例文】
- 有り体に言えば、彼だからこそ達成できたのです。
- 有り体に言えば、今回のプロジェクトは失敗に近いでしょう。
- 有り体に言えば、完成まであと1、2年はかかるでしょう。
- 有り体に申し上げると、このままでは制作費が予算をかなりオーバーしてしまうと言うことです。
有り体に」の語源
「有り体に」の使い方はおわかりいただけたでしょうか。
でも、どうしてありのままに本音で言うことが「有り体」なのか、語源を調べて見ましょう。
「有り体」は「有り」と「体」に分けることができます。
「有り」は「ある」ですね。
物事が存在するという意味の「有る」です。
「体」は身体ということではなく、「てい」と読む時は「様子」「姿」という意味があります。
「体裁(ていさい)」とか「ほうほうの体」「~という体で~してください」などと言う言葉や言い回しもありますよね。
この「有り」と「体」からできた言葉である「有り体」ですから、「有るような様子」、つまり「あるがまま」という意味になるわけです。
包み隠したり遠慮したりして婉曲に表現するのでなしに、あるがままに率直に本当のことを言うということですね。
また、「体」には「見せかけの様子」「世間体」という意味もあるので、「有り体」には「世間並み」「ひととおり」のような意味もあるわけです。
「有り体に」の類語
「有り体に」の類語には次のようなものがあります。
- ありのままに(実際のありさまの通りに)
- 端的に(遠回しでなくはっきりと)
- 率直に(ありのままで隠すところなく)
- 赤裸々に(包み隠さないで)
- 洗いざらい(残したり隠したりせず全てを出して)
- 包み隠さず(秘密にしないで)
- ぶっちゃけ(思っていることや知っていることを包み隠さず言うと)
「ありのままに」などはほぼ「有り体に」と同じ意味であると考えて良いでしょう。
「ぶっちゃけ……ですね」などと言うと、かなりくだけた俗語、若者言葉という感じですのでビジネスの場では使いにくいですね。
「洗いざらい」「包み隠さず」などは「隠さないで」「秘密にしないで」というニュアンスが強いです。
場面や内容に応じて使い分けると良いでしょう。
「有り体に」の対義語
「有り体に」の対決まった対義語というのは特にありません。
歪曲(わいきょく。内容を歪め曲げること)
- 不正(正しくないこと)
- 嘘(事実ではないこと)
- 偽り(本当でないこと。嘘)
- 心にもない(本心ではない)
- でたらめ(根拠がないこと。いいかげんなこと)
- 根も葉もない(なんの根拠もないこと)
などなど、「本当のことではない」といった意味合いの言葉が反対の意味に当たるかもしれません。