訪日外客数(2019 年 11 月推計値)
◇ 11月 : 前年同月比0.4%減の244万1千人
●2019 年 11 月の訪日外客数は、前年同月比 0.4%減の 244 万 1 千人。2018 年 11 月の 245 万 1 千人を約 1 万人下回り、2 か月連続で前年同月を下回った。
●訪日外客数が多い韓国市場の減(前年同月比 65.1%減)が、訪日外客数全体が前年同 月を下回る要因となった。
●韓国市場を除く 19 市場で前年同月を上回り(前年同月比(19 市場計)19.9%増)、特 に、中国からの訪日外客数が前年同月に比べ 13 万 4 千人増える、東南アジア市場は前 月に続き全市場で前年同月比が 2 桁の伸びを記録するなど、引き続き堅調に推移してい る。
●市場別では、韓国を除く 19 市場(中国、台湾、香港、タイ、シンガポール、マレーシ ア、インドネシア、フィリピン、ベトナム、インド、豪州、米国、カナダ、英国、フラ ンス、ドイツ、イタリア、ロシア、スペイン)で 11 月として過去最高を記録した。
●欧米豪市場を中心に訪日外客数が増加したラグビーワールドカップ 2019 日本大会を受 けて、訪日機運が高まる中で、市場動向を綿密に分析しながら、訪日旅行プロモーショ ンに取り組んでいく。
* 月別推計値と 2003 年以降の訪日外客数は、下記リンク「訪日外客数の動向」内からダウンロードできます。 https://www.jnto.go.jp/jpn/statistics/visitor_trends/index.html 「月別推計値(Excel)」、「国籍/月別 訪日外客数(2003 年~2019 年)(PDF・Excel)」
* 最新の市場動向トピックス https://www.jnto.go.jp/jpn/inbound_market/report.html
※11・12 月のトピックスは 2020 年 1 月末頃に掲載予定
独立行政法人 国際観光振興機構 〒160-0004 東京都新宿区四谷 4-4-1 総務部 総務・広報グループ TEL: 03-6691-4850 FAX: 03-6691-8787
地域別訪日旅行市場の概況
1.アジア
❶東アジア
● 韓国は、前年同月比 65.1%減の 205,000 人であった。一部旅行会社・航空会社で日本旅行商 品の広告再開の動きがあるものの、最近の日韓情勢もあり減便や運休による航空座席供給量 の減少や訪日旅行を控える動きが発生していることに加え、韓中関係の改善による中国への 渡航需要の回復や旅行先としてベトナムが人気になるなど海外渡航先が多様化していること、 韓国経済が低迷していることもあり、訪日者数は前年同月を大幅に下回った。
● 中国は、前年同月比 21.7%増の 750,900 人で、11 月として過去最高を記録。夏ダイヤと比較 して 200 便以上となる大幅な増便や、新規就航により航空座席供給量が増加したことに加え、 1 月から開始した個人査証の発給要件緩和の効果もあり、訪日者数は前年同月に比べ好調な 伸びを記録した。
● 台湾は、前年同月比 11.4%増の 392,100 人で、11 月として過去最高を記録。地方への新規就 航や増便、チャーター便の運航による航空座席供給量の増加に加え、円安傾向にあること、 昨年は統一地方選挙の実施等により訪日需要が抑えられていたこともあり、訪日者数は前年 同月に比べ 2 桁の伸びを記録した。
● 香港は、前年同月比 19.4%増の 199,700 人で、11 月として過去最高を記録。増便等による航 空座席供給量の増加に加え、紅葉鑑賞を目的とした訪日需要が高まる時期であることに加え、 新規就航、航空券や訪日ツアー商品の価格の下落があったこともあり、訪日者数は前年同月 を上回った。
❷東南アジア
● タイは、前年同月比 36.3%増の 140,300 人で、11 月として過去最高を記録。バンコク-新千歳 線や仙台線等の新規就航、増便による航空座席供給量の増加に加え、旅行博への出展、メデ ィア招請、東北地方の広告宣伝等、継続的に展開してきた訪日旅行プロモーションの効果や 日本関連イベントの開催に伴う日本の露出機会の増加、航空会社によるキャンペーンもあり、 訪日者数は堅調に推移した。
● シンガポールは、前年同月比 20.3%増の 65,300 人で、11 月として過去最高を記録。11 月後 半から学校休暇が始まり旅行需要が高まる中で、継続的に展開してきた訪日旅行プロモーシ ョンの効果や 2019 年春頃からの増便や機材の大型化による航空座席供給量の増加もあり、 訪日者数は前年同月に比べ好調な伸びを記録した。
● マレーシアは、前年同月比 17.1%増の 65,000 人で、11 月として過去最高を記録。11 月後半 から学校休暇が始まり旅行需要が高まる中で、クアラルンプール-成田線の新規就航等による 航空座席供給量の増加やインセンティブ旅行を目的とした渡航の増加もあり、訪日者数は前 年同月に比べ好調な伸びを記録した。
● インドネシアは、前年同月比 15.9%増の 37,200 人で、11 月として過去最高を記録。例年より 1 か月早く旅行博シーズンが始まり、秋期の訪日旅行商品が多く販売されたことに加え、イ ンセンティブ旅行の増加、日本への経由便となる航空会社との共同広告の効果もあり、訪日 者数は前年同月に比べ 2 桁の伸びを記録した。
● フィリピンは、前年同月比 38.0%増の 64,800 人で、11 月として過去最高を記録。JNTO 主催 の Japan Fiesta 2019 でのプロモーション効果に加え、7 月のマニラ-関西線、8 月のクラー ク-成田線の新規就航等による航空座席供給量の増加により、訪日者数は好調に推移した。
● ベトナムは、前年同月比 23.3%増の 41,900 人で、11 月として過去最高を記録。訪日セミナー 及び商談会の実施やイベント出展、訪日旅行商品の販売促進等の訪日プロモーションにより、 紅葉鑑賞を目的とした旅行商品の販売が好調だったことに加え、新規就航、増便、チャータ ー便による航空座席供給量の増加やインセンティブ旅行を目的とした渡航の増加もあり、訪 日者数は堅調に推移した。
● インドは、前年同月比 12.3%増の 14,900 人で、11 月として過去最高を記録。旅行会社や航空 会社との共同広告や紅葉をテーマとした旅行雑誌への広告掲載による情報発信等、継続的に 展開してきた訪日旅行プロモーションの効果や、紅葉鑑賞を目的とした団体旅行が複数催行 されたことに加え、インセンティブ旅行を目的とした渡航の増加もあり、訪日者数は前年同 月に比べ 2 桁の伸びを記録した。
2.豪州、北米
● 豪州は、前年同月比 21.2%増の 48,300 人で、11 月として過去最高を記録。継続的に展開して きた訪日旅行プロモーションやラグビーワールドカップによる日本の露出機会の増加に加え、 パース-成田線の新規就航による航空座席供給量の増加もあり、訪日者数は前年同月に比べ好 調な伸びを記録した。
● 米国は、前年同月比 17.3%増の 149,000 人で、11 月として過去最高を記録。メディアへの情 報提供等、継続的な支援による日本関連記事の露出機会の増加に加え、訪日クルーズ需要が 堅調に推移していることもあり、訪日者数は前年同月と同様に好調な伸びを記録した。
● カナダは、前年同月比 20.5%増の 33,300 人で、11 月として過去最高を記録。紅葉鑑賞を目的 とした訪日需要が高まる時期であることに加え、モントリオール-成田線の機材大型化による 航空座席供給量の増加や、中国や香港から日本への海外渡航先変更も考えられ、訪日者数は 堅調に推移した。
3. 欧州
● 英国は、前年同月比 37.5%増の 37,700 人で、11 月として過去最高を記録。EU 離脱後の経済 に対する不安感はあるものの、継続的に展開してきた訪日旅行プロモーションの効果に加え、 ラグビーワールドカップを契機とした訪日需要の高まりやロンドン-関西線の就航等による 航空座席供給量の増加もあり、訪日者数は前年同月を上回った。
● フランスは、前年同月比 10.2%増の 24,300 人で、11 月として過去最高を記録。フランス国内 における日本関連イベントの開催など、継続的に展開してきた訪日旅行プロモーションの効 果によりメディア等での日本の露出が増えたことに加え、増便による航空座席供給量の増加 もあり、訪日者数は前年同月に比べ 2 桁の伸びを記録した。
● ドイツは、前年同月比 5.2%増の 19,500 人で、11 月として過去最高を記録。ドイツ経済が減 傾向にある中でも、継続的に展開してきた訪日旅行プロモーションにより日本への関心が 引き続き高い中で、新聞・雑誌での広告や日本関連記事の掲載や航空会社との共同広告等の 効果もあり、訪日者数は前年同月を上回った。
● イタリアは、前年同月比 6.7%増の 12,400 人で、11 月として過去最高を記録。クルーズによ る訪日イタリア人旅行者数の減少があるものの、継続的に展開してきた訪日旅行プロモーシ ョン効果による日本への関心の高まりに加え、日本への経由便となる航空会社の座席供給量 の増加もあり、訪日者数は前年同月を上回った。
● ロシアは、前年同月比 41.3%増の 13,100 人で、11 月として過去最高を記録。紅葉鑑賞を目的 とした訪日需要が高まる時期であることに加え、航空路線の新規就航、大幅な増便、機材大 型化による航空座席供給量の増加、低価格な航空券の販売等の航空会社のキャンペーンが実 施されたこと、訪日旅行促進セミナーや商談会等の訪日旅行プロモーションの効果もあり、 訪日者数は好調に推移した。
● スペインは、前年同月比 18.8%増の 10,500 人で、11 月として過去最高を記録。航空会社や旅 行会社との共同広告等、継続的に展開している訪日旅行プロモーションにより旅行先として の日本への関心が引き続き高い中で、ラグビーワールドカップが終わり航空券等の価格高騰 が緩和された影響もあり、訪日者数は前年同月に比べ好調な伸びを記録した。
✳️前年同月比 0.4% 減少
✳️余談
韓国チェジュ航空、同業を買収 訪日客減少でLCC苦境
12/18(水) 19:21配信 時事通信
【ソウル時事】韓国の格安航空会社(LCC)最大手のチェジュ航空は18日、同業のイースター航空を買収すると発表した。
日本路線に依存する韓国LCC業界は日韓関係の冷え込みで訪日客が減少したことで、業績が軒並み悪化している。