【難読漢字】「傅く」って読めますか?
古文の授業で習った
突然ですが
「傅く」という漢字
読めますか?
日常的には使われませんが
大切に育てることを意味する言葉です。
気になる正解は...
正解は「かしずく」でした!
わかりましたか?
現代ビジネス編集部
「かしずく」の意味は「人に仕えて世話をする」
「かしずく」とは「人に仕えて世話をする」という意味を持ちます。人に奉仕し大切に面倒をみたり、しっかりと付き添うということを表す言葉です。主に王様や主君など、自分よりはるかに身分が高く階級が非常に高い人に対して、尊敬の念をもって尽くし従うというニュアンスで使われます。
「かしずく」の意味は「大切に養い育てる」
「かしずく」は「大切に養い育てる」という意味も持ち合わせます。生きていくために必要なことを大切に教えていきながら愛情を持って接し、そして心身共に健康に養い育てていくという意味合いがあります。
「かしずく」の意味は「後見する」
また、「かしずく」は上記の二つの意味に加えて「後見する」という意味もあります。人の後ろ盾となって補佐したり、幼少の人物をサポートすること表したり、保護する者の代理となって面倒を見ることも意味しています。
また「かしずく」は「かしづく」とも書くことができ、どちらも正しい書き方となります。
「かしずく」の語源は漢字「傅く」にあり
「かしずく」は漢字で「傅く」と表記します。「傅」は「いつく」とも読み「世話をする」「大切に育てる」「保護する」などの意味を持ちます。加えて「傅」の音読みは「フ」で、かつての律令制で皇太子の教育係を担当した役のことを指し、「側に付き添う」「お守り役」などの意味があります。つまり、「かしずく」の語源とは、そもそも漢字で示す「傅」が意味するところにありました。
「かしずく」は介護や寝たきりの人に対して使わない
「かしずく」は人に仕えて世話をするという意味がありますが、要介護者や寝たきりのの人など、身体的に不自由で誰かに世話をしてもらう必要があるような状況では使われません。
「かしずく」を理解する上で重要なのは、身分の高い人に尊敬の念を持って使うという点です。「かしずく」は権力やお金のある人に「召使い」のように仕えるというニュアンスを持ち合わせています。そのため、身体的に面倒を見る必要があるという状況で使うのは不適切です。
「かしずく」の現代的な使い方
「かしずく」は「人に使えて世話をする」「大切に養い育てる」という意味がありますが、古語表現であるため、一般的な日常生活で使う機会がほとんどないのが現状です。しかし、現代では「かしずく」の意味を皮肉って「かしずく男」「かしずくポーズ」などのように、滑稽な使い方することもあるようです。
たとえば「かしずく男」とは、いわゆる「跪く(ひざまずく)男性」のこと、また「かしずくポーズ」とは、新郎がプロポーズする時に「結婚して下さい」と片膝をつく恰好をいうようです。そもそも、片膝を付くスタンスは主君に対して忠誠心を表すポーズでもありました。
「跪く」と「かしずく」が似たような響きを持ち、加えて似たような意味合いを持つことから使われ始めたようですが、古語を現代風にアレンジした面白い使い方の一つです。
「かしずく」を使った例文
- 君主にかしずきながら、教育や生活のすべての面倒を見ていた。
- 祖父は先代が君主にかしずく役割を担っていたと話していた。
- 待望の養子を迎えることができ、これからは夫婦でしっかりとかしずくつもりだ。
- 上司にかしずくのは構わないが、やっぱりありがとうの一言くらいは欲しい。
- 彼女にかしずく私は、やっぱり男らしさにかけるのかもしれない。