岡山県倉敷市の 重井薬用植物園のホームページ には、こうあります
まさに、市民の困惑が実際のことであることが分かりました。
【トウネズミモチとは】
・中国を原産とするネズミモチで、在来のネズミモチよりも葉や実が大きい。日本へ渡来したのは明治初期だが、現在は在来種よりも目にする機会が多い。
・都市部の劣悪な環境(排気ガス等)にも耐えることから、戦後の高度成長期には手軽に緑化できる便利な樹木として多用されたが、あまりに繁殖力が強いため、今となっては「要注意外来生物リスト」(環境省)に掲載されている。
・近年はトリカラーや斑入りのトウネズミモチなど、カラフルな色合いの品種がいわゆるカラーリーフとして楽しまれるようになった。
・「ネズミモチ」という名は、秋になる実がネズミの糞に、葉がモチノキに似ていることからきている。でき始めの実は緑色で熟すにつれて黒紫色になる。トウは唐で、中国を意味する。
・いかにも役に立たなそうな名前のネズミモチだが、漢方では干した実を「女貞子」と呼び、強壮に用いる。
【トウネズミモチの育て方のポイント】
・日陰に強く、土壌も選ばずに育つ。稀にスス病にかかるが丈夫な性質を持つ。
・手をかけて育てるような木ではなく、放置しても大木になる。剪定によって管理することは可能だが、成長が早く、大木になる。
・花や実を楽しむような木ではなく、早期かつ安価に緑化する際に使われる木であり、家庭向きではない。
【ネズミモチとトウネズミモチの見分け方】
・ネズミモチ(日本産)との見分け方
葉の形は似るが、大きさには御覧のように歴然とした違いがある。また、トウネズミモチの葉は陽にかざすと葉脈が透けて見えるのが特徴。
・トウネズミモチの実は、ネズミモチの実よりも丸い。
・トウネズズミモチの方が1ヶ月以上、開花が遅い
参考までに
在来種
ネズミモチ/ねずみもち/鼠黐
【ネズミモチとは】
・モクセイ科の常緑広葉樹。秋になる実がネズミの糞に似ていること、葉がモチノキに似ていることからネズミモチと命名された。
・庭木としての観賞価値はあまり高くないものの、堅強な性質を持ち、都市部の劣悪な環境でも耐えることから、垣根や緑地の「植えつぶし」として使われる。
・実は長さ7ミリ程度の楕円形。熟した実は日干しして漢方薬に使われ、コーヒーの代用にもなる。
【ネズミモチの育て方のポイント】
・日陰に強く、土質を選ばず、成長も早い。
・病害虫に強い(まれにスス病、うどんこ病)
・枝葉がよく生い茂り、目隠しになる。刈り込みにも強いが、頻繁に刈り込まないと、樹形が崩れる。
・本州から沖縄まで広い範囲に分布するが、寒さにやや弱く、植栽適地は関東以西となる。
【ネズミモチの品種や見分け方】
・トウネズミモチ(唐鼠黐)
公園などで見かける中国原産の品種。画像のとおり、ネズミモチより葉が大きく、葉を太陽に透かすと葉脈が見えることで簡単に区別できる。トウネズミモチは寒さに強く、日本全国で植栽できる。