党内バランサーの曽慶紅と習主席の後釜を狙う李強【澁谷司──中国包囲網の現在地】
2025.03.01(liverty web)
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アジア太平洋交流学会会長・目白大学大学院講師
澁谷 司
(しぶや・つかさ)1953年、東京生まれ。東京外国語大学中国語学科卒。東京外国語大学大学院「地域研究」研究科修了。関東学院大学、亜細亜大学、青山学院大学、東京外国語大学などで非常勤講師を歴任。2004年夏~05年夏にかけて台湾の明道管理学院(現・明道大学)で教鞭をとる。11年4月~14年3月まで拓殖大学海外事情研究所附属華僑研究センター長。20年3月まで、拓殖大学海外事情研究所教授。著書に『人が死滅する中国汚染大陸 超複合汚染の恐怖』(経済界)、『2017年から始まる! 「砂上の中華帝国」大崩壊』(電波社)など。
中国の曽慶紅(そう・けいこう)元国家副主席は、「江沢民派」の旧「上海幇」(新「上海幇」を含む)、「江西幇」、「石油幇」のリーダーであるだけでなく、中国共産党の「紅二代」と「太子党」のリーダー的存在でもある。曽慶紅の政治的影響力は共産党の党内、政府内、軍内に深く浸透している。
有力者・曽慶紅が習近平主席支持
万維ブロガーの胡亥(こ・がい)は最近の中国共産党の政治情勢について、曽慶紅が習主席を助けており、主席と張又侠(ちょう・ゆうきょう)・中央軍事委員会副主席との駆け引きは、一時的に均衡したと分析している。
こうした力学のなか、中国共産党の内部事情に詳しい豪州の学者・袁紅冰(えん・こうひょう)は、習政権は今年、(1)軍をターゲットにする、(2)党・政府関係者と国営企業・機関の関係者を粛清する、(3)引退した幹部らを追跡調査するという、3つの党内粛清を行うと明かしている(*1)。
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