MIKUNIのBST33と言うキャブがDR250Sの純正キャブである。
このキャブのダイヤフラムのゴム膜に亀裂が入り、シリコーンコーキングで補修済みなのだが、やはり不安なので当地にあるスズキの販売店に問い合わせた所、価格が8000円近くするとの事だった。
ゴム膜のみの交換は出来ない構造になっていてプラスチック製のスライドバルブと一体になっているので価格も安くないのであろう。
8000円も出すのなら、中古のキャブ1式が買えると考えそちらの方向で対処することにした。
某オークッションには多くのキャブがあり、選択に迷うほどである。この際、口径の大きいもので装着可能な品を物色する事にした。
DR250Sのエンジンと同系列の物についてるものなら互換性が大きいと考え、DR350のキャブを探すが、さすがにこれは見当たらない。
あっても価格が高い。そこでグース350の物を物色。程なく見つかり、格安で入手。部品を購入する価格の1/4ほどであった。
現物が手元に届き、取付けにかかるが、かなり大きい。何しろ高さがある。それにエンジン側の外径がこれまた大きい。
インシュレーターのゴムにはまりそうもない。そこで、エンジン側の外径をいくらかでも細くするため、グラインダーとヤスリで削ることにした。
1mmほど厚みを減らし角もテーパー状に削り、耐水ペーパーで滑らかに仕上げたのがこの画像である。
取付け前に分解清掃して、削りカスの除去や詰まりなどがないかを点検した。思いのほか内部は綺麗であった。
エアクリーナー側の外径は、意外なことに少しゆるいかなと思われるほどである。
これは、画像にあるように、BST33のエアクリ接続側の形状が縦長でBST40は円形であるからと思われる。
それからおもむろに車体への取付けを試みたが、その大きさ故どうしても入らない。純正キャブはすんなりと取外しが可能だったのだが、BST40はやはり大きすぎた。車体のフレームやエンジンのインシュレーターに干渉するのである。
ここであきらめては男がすたるとばかりに、次なる方策はインシュレーターをまず外し、それをキャブに組み付けてそれごとエンジンに取り付けるという方法ととる事にした。この方法だとフレームに接触しながらも装着可能であった。
だが。今度はインシュレーターをエンジンに取り付けているプラスネジが回せない事がわかった。これはプラスネジをキャップスクリューに替える事で解決。車体右側よりインシュレーターのネジを回すのは難儀したけれども何とか完了。エアクリーナーボックスへつながるゴム製ののダクトへの接続も純正品と同様におさめる事が出来た。
ようやく、取付け完了し試運転。
結果は、はっきり言って失敗の方にはいる。エンジンは数回のキックの後、始動。
だが走り出してすぐ感じたのは低速でのトルクがまるでない。
これまでと同じアクセル開度で発進しようとするとエンジンが止まりそうになる。明らかに低速域での馬力不足。キャブの口径が大きくなった事により、低回転でのガスの供給不足である。何とかその領域を過ぎてしまえば高回転域での力強さはこれまでとは明らかに異なるフィーリングである。
アクセルを開けていくと1爆発ごとに車体を前に押し出す という単気筒特有の力強い加速感を得られる。
低速スカスカ、高速モリモリのまるで2サイクルマシンみたい。
要するに市街地走行では扱いにくいバイクになってしまったのである。当然だが燃費も以前より良くない。
1ヶ月ぐらいはこの状態で乗ってはいたが、やはり我慢が出来ず別のキャブに替えた顛末は、また次回。
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