ヒマジンの独白録(美術、読書、写真、ときには錯覚)

田舎オジサンの書くブログです。様々な分野で目に付いた事柄を書いていこうと思っています。

よくある話。

2017年07月23日 11時17分04秒 | 日記
大学の時、下級生にある女の子がいた。

彼女は容姿も可愛く、誰にでも好かれる人であった。

父親の職業は中央官庁のお偉いさんであったと聞く。

その父親が定年まじかで亡くなり、母親もその後すぐに亡くなったそうだ。

彼女は一人っ子だったので、若くして自活の道を探さなければならなくなった。

それまで勤めていたOLから、水商売に転じた。

有名私大卒の彼女にはそれなりの固定客が付くようになった。

彼女は、そこでこれなら独立してもやっていけると判断して、自分の店を持ったそうである。

ちょうどバブル景気のさなかで、お店はそれなりに繁盛してたそうである。

その後は、お決まりのコースである。

バブルがはじけてから、小さなスナックへと転身を図ったのであるが、それもそのうちうまくゆかなくなった。

五十台半ばで水商売をやめ、スーパーのレジ打ちなどの仕事をいくつかを経験したそうである。

友人が最近、その人に会ったそうだ。

今の彼女はどうしてるかと、ぼくは尋ねた。

年齢より10歳は老けて見えて、言わばおばあさんの雰囲気であったと言う。

そして、今もって独り暮らしでいる。

話し相手になる友人もいなくて、時折連絡をとれるのはぼくの友人だけであるようだ。

水商売の経験があるのなら、社交的なのかと思いきや、今ではただ家に閉じこもる生活らしい。

しかも生活は楽ではなさそうと聞く。

若い時の彼女からは想像も出来ない暮らしぶりらしい。



彼女は結婚する機会には恵まれなかったのだろうか?

多分、それなりの機会はあっただろうと思われるが、彼女自身がそれに気づかなかったのだろうと、思う。

独りでいるよりは二人でいた方が、道が開けることだってあったろうに。


人は若い時は、今の自分が一番良いと勘違いしてしまう。

また、今より将来が良いものに思えるのは自然なことなのだろう。


だから、自分自身についての判断が、実に難しい。

それに比べると学校の試験なぞ、一夜漬けでもなんとかなる気楽さはある。

私だって、今あるのは運が良かっただけなのだろう。







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