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日本の将来

日本の将来---5.展望(4):Gデザイン50計画-国土交通省

2014-07-25 | 日本の将来
ハノイ旅行(5)から続く。

このブログは、今年4月25日の「日本の将来---5.展望(3)」を最後に、4月28日の「韓国客船沈没に思う」(臨時)から7月10日の「ハノイ旅行(5)」まで、6回にわたって脱線した。

今回は本筋の「5.展望(4)」に戻り、4月25日の「5.展望(3)」の最後に示した「26.人口減少への対応」から議論を始める。

1.人口減少への対応
人口の減少にはさまざまな観点の議論があるが、この問題への対策には、まず地域別の詳しい人口予測が必要である。人口減少とはいうものの、全国一律に減少する訳ではない。

次に、その人口予測にもとづく日本の姿、言い換えると日本の未来像を描かなければならない。その姿は、成行きまかせの姿ではなく、国の政策や人々の価値観の影響を受けた人為的な姿である。したがって、日本の未来像を描くのは国家計画にほかならない。

(1)国土交通省の計画
最近、国土交通省は人口が1億人を切る2050年をターゲットに地域別の詳しい人口予測とその対策を公開した。その報告書は、「国土のグランドデザイン2050」(2014年7月4日)である。

国土のグランドデザイン2050」(以降、略して「Gデザイン50」)の内容は、次のような資料から成り立っている。

1.「国土のグランドデザイン2050」概要・・・PDF462KB 4頁
2.「国土のグランドデザイン2050」・・・PDF480KB 47頁
3.「国土のグランドデザイン2050」参考資料[1]・・・PDF9,362KB 44頁
4.「国土のグランドデザイン2050」参考資料[2]・・・PDF10,143KB 68頁
5.「国土のグランドデザイン2050」参考資料[3]・・・PDF8,820KB 68頁
6.人口関係参考資料[1]・・・PDF8,948KB 69頁
7.人口関係参考資料[2]・・・PDF3,224KB 24頁
8.人口関係参考資料[別添]・・・PDF400KB 4頁
9.1k㎡毎の地点(メッシュ)別の将来人口の試算について・・・PDF8,948KB 69頁

以上、9個のPDFファイルの頁数と容量は、筆者がダウンロードしたときの数字である。A4版にプリントすると総数397頁の資料である。

このブログでは「Gデザイン50」の考え方とデータを理解し、筆者なりの考えを整理する。

(2)2050年の位置づけ
「Gデザイン50」が目標とする2050年は、今から約35年先の近い将来である。2050年は予測精度の点で妥当と考えるが、その時代の人口がどのような状態にあるかを、長期予測の上で確認しておきたい。

下の表は、総務省の長期人口予測から2015年から2105年の人口を抽出し、10年ごとの人口減少(Δ)を示している。ちなみに、総務省の長期人口予測は「日本の人口:1925-2105年」のタイトルで14-04-10のブログに示しているので、参照されたい。

下の表で分かるように、2050年は大きな人口減少が始まる時期である。

  

表の2055から75年にかけて、人口減少がピークを迎える時期である。また、55年頃は増え続けた65歳以上の人口が減少に転じる時期である。

上の表を念頭に置き「Gデザイン50」が目標とする2050年頃は、人口減少はまだ序の口と認識すべきである。2050年頃から2100年頃にかけては日本の人口は約1億人(2050)から4600万人(2100)に半減する。また、この時期(2050-2100)のアフリカでは14億人の増加、反面アジアでは5.5億人が減少する。これらの変動もさまざまな形になって日本に波及する。

次回に続く。

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