佐世保市立福石小学校の学校便りから転載です。
●言葉は生きており,一つ一つの言葉には心が宿っているので,
福石小では言葉遣いに注意していきたいと・・・
島瀬美術センターであった夏休み作品展に於いて展示されていた,
言葉の実験を行った二人の児童生徒の作品例をあげて話をしています。
一人目は,黒髪小学校の2年男児の「言葉の力」という作品です。
彼は,7月26日から炊きたてご飯を3つのビンに分け,
毎日言葉かけをしていきました。
「ありがとう」「バカ野郎」「何も言わない・‥無視」。
すると,「ありがとう」といい続けたご飯は,真っ白できれい,
「バカ野郎」、と言い続けたご飯は黒くて臭くなったそうです。
でも,「無視」したご飯が一番ひどく黒や茶色で,いやな臭いとなり,
言葉の力には,良い力と悪い力があることが分かったとまとめてありました。
二人目は,宮中学校の1年女子の「言葉の実験」という作品です。
彼女は四つ切りのパンを2つのビンに分け,「バカ・うざい・死ね」と
「ありがとう・愛してる・感謝」という言葉を言い続けたそうです。
パンにカビが生えていくのですが,2つのビンのカビの生え方が違う。
特に,お父さんと口げんかをしていやな思いをした翌日,
ものすごくカビの生え方が多くなっていて驚いたとありました。
そして,日頃何気なく使っている言葉で,どれだけ多くの人の心を
傷っけてきたんだろうとまとめてありました。
2つ共に実験写真が添えてあり,本当の話です。
この事から,私達人間は考えることのできる力を持っているし,
心を伴う素晴らしい生き物であり,私達が柔らかで温かい声かけができれば,
他人も,自分も,穏やかで明るい生活が出来てくるのだと話しました。
言葉かけがきつく汚いと,自分も,相手もいやな思いになってしまいます。
言葉が汚いと乱暴な行動になってしまうのか,乱暴な行動が汚い言葉を生むのか,
いずれにしても,言葉によってお互いの心が傷つきあってしまいます。
真剣にお話を聞いてくれた子ども達なので,何とか日々の生活の中で
言葉に対する意識が根付かないものかと思っています。
今の子ども達には自尊感情が必要です。
自分を大事にして,初めて他人も大事にできるのです。
その為にも,自分の気持ちを伝え,
相手に自分の思いを分かってもらうコミニュケーション能力の育成が
急務かと思う日々を過ごしています。