本堂正面の軒下に彫刻された龍の木彫りです。欄間様式。
ところで、十二支のなかで唯一架空の動物がこのドラゴン。
なにか特別な存在であるような、そんな気になります。
本堂正面の軒下に彫刻された龍の木彫りです。欄間様式。
ところで、十二支のなかで唯一架空の動物がこのドラゴン。
なにか特別な存在であるような、そんな気になります。
来年の干支、「辰・龍」。
掛け軸の絵とか、境内のどこかにいらっしゃらないかしら?
と思い意を注いでみれば、・・・あったあった、いらっしゃいました。
1714年(正徳4年)鋳造の印山寺梵鐘。
梵鐘最上部の釣り手、すなわち頭龍(ずりゅう)といわれる部分です。
前後に二頭の龍が彫られています。
なかなか目につかない所ですが、
なんだかんだ言っても、もう300年近くこの梵鐘を釣り下げてくれてます。
ものすごい持久力です。
とってもうれしいことがありました。
この十王図とともに修復のため旅立っておりました「釈迦涅槃像図(220×160)」が、
今日無事に帰ってこられたのです。
ちょうど1年ぶりの帰還です。
紙粘土のようなお団子状態だった掛け軸を、
特殊な道具で解きほぐし、無事に開帳。
しかし、全体の5分の1くらいは跡形もなく破損しておりました。
それを、専門の絵師さんのおかげで、違和感なく仕上げていただきました。
部分的な色彩の破損も修復され、
150年前に表装されたときと同じくらいの輝きが取り戻せたのではないでしょうか。
これでまた、あと200年は軽く大丈夫そうです。
わたしの代で修復を手がけることができることを、心からうれしくありがたく思います。
イエスキリストさまのお祝いに、涅槃図ってのも違和感ありすぎですが、
広い意味で、めでたいことです。とても印象的なプレゼントになりました。
毎年、常楽会(涅槃会)、すなわち2月15日前後には、本堂西側にお祀りします。
どうぞお参りください。
先日、佐世保市上原町にある浄漸寺さまへうかがいました。
このお寺は、平安後期に造られたと推察される木造薬師如来さまがご本尊です。
像高が111.3センチ、樟の一木造り。
威風堂々、しっかりしたお姿です。
目鼻立ちはとても大きくて、くちびるのラインはどっしり太く彫られています。
でも、羅髪は小さく繊細に仕上げてあって、お衣のラインも薄く繊細でした。
色彩が施されていたかどうかは定かでありません。
まさに、奈良時代と平安時代の特徴を合わせ持つ仏像です。
実は、このお仏像は秘仏としてこのお寺で永くお祀りされていたのですが、
虫食いや腐食がものすごくひどくて、うかうか触れないほどの状態だったらしく。
今回ご住職の発願で、専門の仏師さんに手渡され、保存修復の作業が施されました。
で今年の初夏、立派になって帰ってこられました。
古色で施された部分の色合いが落ち着いていないので、
若干ムラのある所は気になりますけど、
あと2,3年もすればしっくり落ち着くそうです。
今般、このお仏像を市の文化財にと、正式に答申が提出されました。
正直言って、これほどの仏像は県内では類をみないような気がします。
早い時期に市の文化財から県指定へと格上げしてほしいものだと、切に思いました。
この橋は、大加勢橋とよばれる元指定文化財でした。
当地の華やかな炭坑時代を支えてきた眼鏡橋です。
河川 工事の都合で文化財の指定を解除し解体。
いつの日か復元 されることを願って、
町の片隅に静かに野積みにされていたのでが、
結局復元の見通しもつかず、
今はこうしてお寺の西の片隅に。
少しでも当時の石材を保存しておくために、
アーチの下部にもたくさんの石材を埋め込みました。
現在地移築は、平成十九年夏。