写真は睡蓮ですが、お話しは「蓮のお花」で。
仏様に関連する品物には、蓮華を形どったものや描いたものが数多く見受けられます。
精進袋のデザインは、たいてい蓮の花や葉っぱです。
仏像は、概ね蓮華座といわれる蓮の花の上に座るか立つかしておられます。
本堂の正面には、木蓮花といわれる一対の大きな蓮の飾り花がかざられています。
何故なんでしょうね。
実は、仏教では蓮の花をとても大切にします。
汚れた水の中から芽を出し、そして見事に美しい花を咲かせます。
汚れた泥水の中から出てきたのに、その汚れに染められることがありません。
いや、汚泥の中で育ったからこそ、美しく咲くことができたのです。
私たち人間にも同じことが言えるかもしれません。
さまざまな悩み苦しみ、悲しみの中に生きているから、
だからこそ、美しく清らかな心の花を咲かせることができるのです。
仏教が蓮の花を大切にする理由は、ここんとこにあるようです。
七夕の節句七月七日は、乳酸菌飲料「カルピス」の誕生日だそうですね。
大正八年の七夕に発売が開始されました。パッケージの水玉模様は、天の川だとか。
このカルピスという商品名は、仏教の言葉から名付けられています。
カルピスの“カル”は、牛乳に含まれるカルシウムから。
“ピス”は、インドのサンスクリット語。
『涅槃経』というお経には、「牛より乳を出し、乳より酪(らく)を出し、酪より熟酥(じゅくそ sarpis サルピス)を出し、
熟酥より醍醐(だいご)を出す、仏の教えもまた同じく、・・・」とあって、
仏さまの教えを五味にたとえて表現します。
その最高位が「醍醐」。この上ない教え、この上ない美味さ、です。
醍醐味という言葉は、このことから生まれたんですね。
カルピスの語源が、最高位からちょっと遠慮して次位によってる所など、たいへん奥深いと思います。