お坊さんの背中から垂れ下がっている紐。見られたことございますか?
これ、「修多羅(しゅたら)」といいます。
お経さんのことを、もとは「スートラ」というんですが、その音をとって、「修多羅(しゅたら)」。
スートラは、「縦の糸」を意味します。貝葉に書き記したお経を一枚一枚綴じる時、
縦に糸を通してまとめます。その縦の糸からスートラという言葉が生まれたんだということを
聞いたことがあります。要するに、お坊さんは、背中にお経さんを背負ってるわけです。
西域記や西遊記でご存じの玄奘三蔵さん。背中に大量のお経さんを背負って
天竺から唐の国まで歩かれました。往復14年間!この三蔵法師の偉大な功績を
シンボライズした装飾品ということもいえるようです。
また、この修多羅は、葬儀の時、棺の上蓋に載せてあるのをご存じでしょうか?
お葬式は、言い換えれば「出家受戒」のための儀式です。ということは、故人は、
お葬式をすることで、仏教の修行者となられます。だから、棺の上には金襴の袈裟と、
「修多羅」が飾られるんですね。
余談ですけど、この「スートラ」が「しーだら」に訛って、「不」で否定したのが、
「ふしだら」、なんですって。お経さんに背いた行為は、ふしだらな行いなんですよ。
さらに、「だらしない」っていう言葉もこれが語源であるとか。
お寺出身の植木等さんのヒット曲「スーダラ節」も、これをもじって生まれた曲らしく。
おもしろいですね。