お月さまとウサギ

すごく暑かった夏も、やっぱり終わりを告げました。
諸行無常。
朝、目を覚ますと、
全身が毛布にくるまってます。
秋です。





　
　今年は、お彼岸のお中日前夜が十五夜でしたね。
残念ながら曇ってて名月を楽しむことはかないませんでしたが、
雨雲を通してほんのり明るくいなったあたりに向かって合掌。
仲秋の無月でした。
無月でも、お月さんにはウサギさんがいるはずです。
　



　実は、お月さんにウサギがいるのにはわけがありまして、











　『ジャータカ』という仏教説話集にその根源を求めることができます。
　


　昔、ある森の中でウサギと猿とジャッカルとカワウソが
仲良く暮らしておりました。
ある日、1人のバラモンが彼らのところに現れます。
4匹の動物はそれぞれ自分のえさをバラモンに布施しました。
猿はマンゴーの実、ジャッカルはとかげの肉、カワウソは魚を。
ところが、ウサギのえさは草以外に何もなかったので、
ウサギは自分のからだを施すことに決めました。

　ウサギはバラモンに火を焚（た）くように言い、
火が十分な勢いになると、その燃えさかる炎の中に身を投げました。
しかし、その火はウサギの身体をこがすことはなく、
ウサギはまったく火の熱さを感じませんでした。
涼しいくらいです。
バラモンは言いました。
「実は私はバラモンではない。帝釈天なのだ。
汝の心を試したのだ。」
これを聞いたウサギは
「帝釈天さま、世界中の誰が私の心を試そうとも、私
の布施への心は揺らぐことはありません。」と言いました。

　帝釈天はこのようなウサギの尊い心に感激し、
このことを世に広く知らせるため、
月の表面にウサギの姿を描きました。
　
　というお話です。
この説話がもとで、
お月さまにはウサギさん、ってわけなんです。
お彼岸中にふさわしい物語です。

漫画

息子たちに誘われ、
数編の少年漫画を読んでいるのですが、
なんだかすごいですね。
いささか衝撃を受けました。
薄っぺらなテーマじゃなく、とても奥が深い。
人間学みたいなテーマが数多く見受けられ、
読みながら思わずうなってしまいます。
まんがって、いつからこんな高尚な文化になったんでしょうか。
全く気づきませんでした。

ところで、今日からは秋のお彼岸です。
客観的に自分の行動や思いを眺める週間ですよ。
是非試みあれ。

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秋のお彼岸法要

　九月二十一日（火）

　午前 十時半 から

 　　　　■卒塔婆供養
 　　　　■ご詠歌の奉詠
 　　　　■御法話

　＊布教師さま
　　　　　福岡県篠栗町
　　　　　藪　　祟　史 　僧正
   
　
　　万障お繰り合わせ、
　　　　　　　　ご参詣下さいませ。

 

成 熟

敬愛するサイトに、
「社会の成熟」を思う感想が述べてありました。
和装姿の女性たちが違和感なく自然に風景にとけ込んでいることや、
歌謡曲でうたわれる内容が「はれた惚れた」を脱皮して、
人生問題の諸相に言及していることなど・・・。

そういえば、人生観や世界観、
人間の生死や心のおき方などをテーマにした
歌謡曲が目立ちますし、
そんな曲がよくヒットしているようです。
坊さんも、こんな世の中の諸相を敏感に感じ取ることが大事。
昔は、歌い手の歌唱力も低かったけど、
今は歌唱力すごいですね。
売れてる人はみなうまい。

いろんなことが、自然と落ち着く社会の成熟。
これからどんな風に変容するのか、楽しみです。

ところで、
筒井康隆の『現代語裏辞典』によれば、
せいじゅく【成熟】とは、
「どうせ自分の相手ではないと悟り、
美人に話しかけられてもおどおどしなくなること。」
とありました。

私も成熟しつつあるようです。

死ぬな 生きろ

お四国の霊場を巡拝しようと考えている方、
巡拝の経験のある方、
それほど関心のない方、
・・・
そんな方におすすめです。（笑

信仰ということ、巡礼するということ、にひとつの諦観が生じるような。

写真家、藤原新也さんの『死ぬな　生きろ』（スイッチ・パブリッシング）。
藤原さんの本（写真）は、インドやネパールに夢中だった頃に
よく眺めていました。
この本は、読むというよりも、感覚でながめるもの。
かたわらに置いて、ときおり開いて眺めてみてはいかがでしょうか。

・・・う～ん、いいねえ。

ほっ

昨日からの雨で、

今朝はとても清々しい気候です。

空はどんより曇ってるんだけど、

とても涼しい風がそよいでいます。

今日だけは秋の気配を感じます。

39.9度なんてとんでもない猛暑記録まで飛び出す今日この頃。

一雨のもたらす恩恵に感謝感謝、あ～気持ちがいい。