「上善は水の如し」
最良の生き方というものは、例えてみれば水のようなものである。
幾度となく通うトイレの水は、当たり前のように下水に落とす。
顔を洗う水、食器を洗う水、お風呂にためる水、…日常の生活の中に当然のようにある
「水」
水は多くの性質を持ちます。
地球上の森羅万象を生かし育む力。
私たちの身体の70%は水分であるともいいます。
常に柔らかく、入る器に応じてさまざまに形を変化させる。
一方で岩をも穿つ力強さも併せ持つ。
こんな不思議な側面を持つ「水」というモノに、人としての理想の生き方を見出した老子。
老子は、そのことを表して、「上善は水の如し」と述べました。
確かに、水は、その流れの力で大きな物を動かすことができますし、岩に穴を開けることもできます。
でも、触れることはできても、手には何も残らない。それなのに、いろんなものに勝る力を秘めています。
やわらかでしなやかでありながら、実は何よりも強い!
そんな“水”のような生き方を、参考にしながら生きていきたいものです。
(住職)