10月に入って当地も稲刈りシーズンとなってきたようだ。田圃の一角では稲刈りマシーンが稼働中、賑やかなエンジン音が響き渡る。この稲刈りだが大別すると2種類に分類されるかと。それは、①コンバイン使用+機械乾燥、②バインダー使用+天日干し乾燥、かと。前者は主に平地の広い面積で活用されるのに対し、後者は主に山間部の棚田地帯で使用される。当地は山間部の棚田地帯、では後者の手法かと推測されるが、どちらもありなのだ。
当地でも道路際など一定の条件に該当する田圃はコンバインの使用が可能だ。効率性から考えると、条件的に可能ならコンバイン使用が望ましい。圧倒的に短時間で処理が可能だ。コンバインが使えない農地は必然的にバインダー使用となってくる。昔のように手鎌で刈り取る風景は壊目見られ無い。このバインダー使用でみられるのが、画像のような「天日干し風景」だ。里山地帯特有の牧歌的な景観かも知れない。
具体的には稲木をセットし、稲藁を叉開きにして掛け、茎葉の栄養分を籾に吸収しながら乾燥させる仕組みだ。稲藁に残った栄養分が残らず籾に吸収されるので米の美味しさは格別だとか。米は美味しいが労力と手間暇を要求する厳しい労働だ。次第に減少気味なのもやむを得ないかと。
当地でも条件の厳しい場所はバインダーに頼らざるを得ない。バインダーとはご承知かと思うが、エンジン付きの稲刈り機を押して歩きながら一条づつ刈り取って結束するマシーンである。我々が稲作に従事していた頃もバインダーを使用していた。
この牧歌的な天日干しの風景、何とも長閑で山村特有の景観なのかもしれない。但し上述したように徐々にだが減少しており、何時までこの光景を眺められるのかは未知数である。見事な光景だが、後継する若者も少ない今、天日干し風景は郷土史の副読本にしか残らぬ世界なのかも。