長池の伝説
むかしむかし、奈良街道ぞいに
端から端まで300mはあろうという長い長い池があったそうな
そこには悪い大蛇が住んでいて、ときどきぬーっと姿をあらわしては近くに住む人に
悪さをはたらいておったんじゃと。
若い娘さんなどは、大蛇が池から顔を出してこちらのほうをジロリ、とにらんだだけで
腰を抜かして動けんようになってしもうたほどじゃ。
困りはてた村人たちは、「このままでは池の主にみんな丸呑みにされてしまう。
なんとか神さんに退治してもらえんやろか」と近所の神社に片っぱしからおがんで回った。
するとある日、どこからともなく刀を持った人があらわれ、大蛇をはっさり切り捨ててまた消えて行ったそうや。
村人はびっくりするやら喜ぶやらで、
「きっとあれは行基菩薩さんの化身に違いない。ありがたい、ありがたい」
とさわいでおったが、死んだ大蛇の尾から立派な剣が出てきたのでまたびっくり。
これは神さんに奉納せなあかん、と思うて大和の石上神宮に差し出したそうや。
それからは池も静かになり村は栄えましたとさ。
今、もうこの長い池は埋め立ててしもうたけど、長池という地名はこの池からきておるんやそうな。
山州名跡志という本にも載っておるし、大和、今の奈良天理市の石上神宮にはそのときの剣が残っておるそうや。
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