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かつて、この地に夢の浮橋が掛かっていた。この橋は、四条天皇をはじめ、歴代天皇、后妃等の墓所が多い泉涌寺に詣でる本道に架けられた橋であり、古くから大路橋若しくは落橋と呼ばれていた。夢の浮橋という名は、源氏物語・宇治十帖の「夢の浮橋」の名に因み、この娑婆世界に無常の様が、夢のごとく、また浪に漂う浮橋のごとく、はかないものでるという例えからとったと伝えられている。川の流れは泉涌寺の後ろの山から出て、今熊野の南を巡り、更に一の橋の下を流れて鴨川に入るが、今は暗渠となり橋は取りはずされている。京都市
ことはりや夢の浮橋心して還らぬ御幸しば止しめむ
橋はもと長さ8.2m 6.3mの木造橋であったが、川を暗渠としてからは取りはらわれ、擬宝珠勾欄の一部が路傍に保存されていたが、現在はそれも撤去され、代わりに泉涌寺長老道円が詠んだ歌碑が建っている。
ことはりや夢の浮橋心して還らぬ御幸しば止しめむ
この橋を一に落橋といわれるのは、天子葬送のときのみに架橋され、普段は腐朽するとも改修されなかったからであり、世人はむしろ天子長久を願って橋の用をなさないことを望んでいたという。応永32年(1425)7月、中山定親は泉涌寺参詣に際し、落橋が破損して渡ることができず、やむなく橋の西にて下車した旨をその日記にしるしているので、室町時代の頃から落橋とよばれていた。
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五七五
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ことわざ
油を売る(あぶらをうる)
仕事中に時間をつぶしてけること、また仕事中に長々とむだ話をすることをいう。
用・「いつまでも油を売ってないで、早く職場に戻れ」
知・江戸時代の油売りが客の容器に油を移すのに時間がかかったことから、髪油を売り歩く商人が婦女を相手にのんびりと話し込みながら商売したことからともいわれる。
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