![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/44/1d/e0479ad0e63910d81e8ec4f012c1ccdb.jpg)
木造11面観音立像
浄楽堂に安置されている等身大の像で、ヒノキ材を用いた一木造、彩色、彫眼の技法によって制作されています。丸顔で、片幅広く、肘をゆるやかに体から離して、すらりとした体躯で立ち、小ぶりな眼、低い鼻、平明な肉取りをもつ面相には日本的な優しさがうかがえます。また、肉身の穏やかなふくらみと、それをあらわすに示す条帛の流れ、数少ない裳の衣文の巧みな設定など、美しい間合いが図られています。奈良時代以来の古密教彫刻に新しい和風の情感を盛り込んだ美作であり、9世紀後半から10世紀前半にかけての制作と推定されるものです。また、当初の板光背を残している点も貴重です。
大原香水 上野町の久保家の庭内にある井泉をいう。同家の説によれば、天長年間(824~34)弘法大師の霊感により、その高弟真済僧正が悪疫をはらい除くために掘り出したものといい、以来井泉の傍らに一宇を建て、瑠璃光薬師如来を安置するにいたったという。この井泉はふだんは水が湧かず、毎年1回、旧暦の6月16日だけ湧出する。しかも早暁から湧きだし、午後に至って止む。俗に「せんき」の水と称し、この水を飲むと疝気・癪気に霊験があるといわれ、当日は井戸より汲み上げた水を、薬師瑠璃光仏を安置した座敷の前庭へ竹樋にて流し、一般参拝客に授与される。この井泉は、むかし久保家の先祖が白狐の危難ほ救った法恩に、白狐がこの奇瑞をあらわしたのだとつたわる。同家には惟喬親王とつたえる僧形坐像を安置する。
祠前回の記事 ➡ 祠南038 稲荷大神
下の地図のユーザー地図 の囲みをクリックすると 付近の記事が探せます