西向寺(さいこうじ)
幸阿弥谷と号し、浄土宗知恩院派に属する。寛永年間(1624~1644)清誉浄顕(せいよじょうけん)上人が西向庵と称する小草庵をこの地に創建し、念仏弘通(くつう)の道場としたのが当寺の起こりである。現在の堂宇は宝暦2年(1752)、六世俊龍和尚により再建された。明治15年(1882)本山知恩院から寺号を得て、西向寺と名を改め、以後庶民の寺として栄え現在に至っている。
本堂には本尊阿弥陀如来25菩薩を祀る。南脇壇に安置する二体の阿弥陀如来像は「二葉
の弥陀」と称し、藤原時代中期の作と言われる。この仏像内に納められていた慶安2年(1649)銘の胎内文書・本尊再興奉加帖によれば、上賀茂神社の別所であった上賀茂御堂西念寺のもので、明治初年の廃仏毀釈で廃寺となった際に当寺に安置されたものと推定される。
また、地蔵堂東側には明徳2年(1391)銘の地蔵菩薩板石塔婆があり「京の三板碑」の1つにあげられている。爪彫地蔵と言われている。
高さ1.55m、緑泥片岩製、表面に地蔵立像を線彫りして、下方に明徳2年(1391)一結衆35人が逆修(死後の法事を生前に行うこと)のために建立としたことを刻している。東山正法寺、百万遍了蓮寺の板石塔婆とともに京都の三板碑に挙げられている。
関連記事・板碑 ⇒ 広い境内の知恩寺 「百万遍」 名付け親は後醍醐天皇
寺院 前回の記事 ⇒ 寺院北0640 常徳寺 常盤地蔵 牛若丸
下の地図のユーザー地図 の囲みをクリックすると 付近の記事が探せます