この木造船は、明治23年に竣工した琵琶湖疏水で使用されていた
運輸船を復元したものです。
当時は、船ごとインクライン(傾斜鉄道)の台車に載せて、この坂を昇降させていました。
★印 蹴上インクラインは、平成8年に国の史跡に指定されています。
京都市上下水道局
この木造船(三十石船)は、京都滋賀県人会創立50周年を記念して、
平成22年3月に寄贈されました。
このインラインは、第3トンネルを掘削した土砂を埋め立てて作られました。この蹴上船溜(ダム)から南禅寺船溜までの延長は約582mです。落差が約36mあるため、この間はどうしても陸送になりました。インクラインはレールを4本敷設した複線の傾斜鉄道です。両船溜に到着した船が、旅客や貨物をのせ替えることなく運行できるように考えられたのがこのインクラインです。
建設当初は、水車動力でドラム(巻上機)を回転して、ワイヤーロープを巻き上げて台車を上下させる設計でしたが、蹴上水力発電所の完成により電力使用に設計変更されました。
ドラムは、最初は蹴上船溜の上にありましたが、後に南禅寺船溜北側の建物に移転し改造されました。台車を上下させる仕組みは、図のように直径3.6mのドラムを35馬力(25kW)の直流電動機で回転させて、直径3cmのワイヤーロープを巻き上げて運転していました。蹴上船溜の水中部には、直径3.2mの水中滑車(展示品)を水平に設置していました。また、レールは当初イギリスから輸入され、軌道中心には直径約60cmの縄受車を約9m間隔に設置し、ワイヤーロープが地面にすれるのを防ぎ、円滑に巻き取れるようにしてありました。ちょうどケーブルカー(鋼索鉄道)のような仕組みで、2段変速できるようになっていて、孝道の所要時間としては10~15分かかりました。琵琶湖疏水記念会館にインクラインの模型(1/50)を展示しています。
平成15年3月1日 京都市水道局
まち歩き
疏水 前回の記事 ➡ まち歩き山0243 琵琶湖疏水 大日向橋 第3トンネル西口 他の疏水あり複雑
今回の川柳
三時間 待って病名 「加齢です」 /大原
下のユーザー地図で京都市内の記事探索が出来ます。試してみてください