ひねくれ亭日常

散歩と徘徊が日常の独り言

フリーランスの悲惨な末路 3

2021-01-12 11:54:04 | 三流カメラマン

バブルが崩壊して直ぐに影響が現れたのは広告系だった。

元々大きな金額が動き末端の下請けでも出版よりは遥かに稼ぎが良かった分野だ。

広告系は出版系を見下しており

「よくそんな安いギャラで仕事するなあ、信じられん」

と彼らはよく口にしていた。

出版系もごくたまに広告系の仕事をするとそのギャラが一桁違っていて思わず

「これ間違いじゃないですよね?」

と尋ねる位である。

それほどに広告と出版では金の流れが違った。

バブル崩壊後仕事が激減した広告系カメラマンは真っ先に事務所をたたんで単なるフリーランスとなる。

そしてあれほど馬鹿にしていた出版社に営業を掛け始めた。

そこでギャラを知り絶句するのだ。

1カットうん万円の仕事からページ単価で10分の一以下になる訳だからそりゃあリースのベンツがカローラに変わる訳だ。

出版系は押し寄せた難民の様な広告カメラマンとの仕事の争奪戦へ巻き込まれる事となる。

それでもまだページ単価は変わっていなかった。

数十年据え置かれた1ページあたり2万円(大手、宝島社は1万五千円)が日当計算になるのは少し遅れてからである。

大体日当3万円程度に設定する出版社が多かったが一日で7~8ページ分を撮影していたからこれは極端な減額だった。