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ロシア空軍機Su-24をトルコ軍が撃墜しロシアは強く非難 国家戦略の差異が悲劇を生んだ

2015-11-25 05:23:13 | 報道/ニュース
シリアのISILなど反政府勢力に対する空爆を続けていたロシアにとって、ロシア空軍機Su-24をトルコ軍が撃墜したことは、改めてロシアにとって国際的に孤独な作戦行動であったことを示しています。

11月25日未明にロイターが次のように伝えました。
『ロシア軍機がトルコ軍に撃墜された件で、ロシアのプーチン大統領は24日、「テロリストの共犯者ら」による背信行為としてトルコを強く非難、両国関係に重大な影響が及ぶとの認識を示した。

ヨルダンのアブドラ国王との会談前に語った。

プーチン氏によると、ロシア機がトルコ国境から1キロ離れたシリア領空を高度6000メートルで飛行中、F━16機が発射した空対空ミサイルの攻撃を受けた。トルコ国境から4キロ離れたシリア領内に墜落したという。

プーチン氏は、ロシア機はトルコに脅威を与えた事実は存在せず、シリア領内の過激派組織「イスラム国」を攻撃する任務を実行していたに過ぎないとした。

トルコ側は、同機が自国領空を侵犯、複数回警告を行った後、撃墜したとしており、両国の見解は一致しない。

プーチン氏は「『イスラム国』の支配地域から大量の石油や石油製品がトルコ領内に持ち込まれていると、われわれはかなり前に明らかにした」と指摘。

「米国側と、空の事故に関する警告を相互に行うとの合意にわれわれは署名し、トルコは米側陣営の一員としてテロリズムと戦っているとしてきた。にもかかわらず、われわれは裏切られ、(他国と同様に)テロリズムと戦うわれわれの機体が撃墜された」とし、怒りをあらわにした。

プーチン氏はまた、トルコが北大西洋条約機構(NATO)会合開催に向けた動きを示すことに怒りを表明。トルコは速やかにロシア側と連絡をとるよう努めるべきだったとの不快感をにじませた。

プーチン氏は「トルコ側がロシア機を撃墜したのでなく、われわれがトルコ機を撃墜したかのようだ。トルコ側は何を求めているのか。本日のような犯罪をわれわれは決して容認しない」と語った。』

同メディアが配信した映像や画像によれば、ロシア空軍機Su-24がシリア領内に突き出たトルコ領の領空を侵犯した飛行航跡や、墜落時に火を噴いている状況も確認されます。

ロシアにとっては、ISILなどに有効な攻撃が足りない米国などの攻撃に業を煮やして、9月30日より巡航ミサイルを含めた攻撃を行い、成果を挙げてきたにも関わらず、このような撃墜をされたのは決して容認は出来ないでしょう。

しかし、トルコ側とすれば、再三ロシア空軍機に領空を侵犯されていたとの報道もあり、別の意味でロシアの行為に対して業を煮やしていたことは容易に想像出来ます。
既にトルコ空軍は、今回撃墜されたSu-24の近くの海上で過去にもシリアからF-4偵察機を撃墜されているので、シリア政府を支援するロシアは敵である、との本音の見方があっても不思議はありません。

更に、以前に本ブログでも紹介しましたが、トルコなどNATO諸国とロシアとの間には、どう見ても綿密な共同作戦計画が無く、IFF(敵味方識別装置)の共有もありません。
そして、プーチン大統領は「『イスラム国』の支配地域から大量の石油や石油製品がトルコ領内に持ち込まれていると、われわれはかなり前に明らかにした」と指摘していることもあり、ロシアとトルコなどの相互不信感は強いものがあります。

今回の撃墜事件は、国家戦略の差異が悲劇を生んだ、と言えるでしょう。

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