小梅日記

主として幕末紀州藩の学問所塾頭の妻、川合小梅が明治十八年まで綴った日記を紐解く
できれば旅日記も。

二月二十九日

2018-08-20 | 嘉永六年 癸丑日記

二月二十九日 

正住寺へ桜花見に行く。
小梅は妙宣寺へ参る。
まず出口と田中に寄る。久野も同道して2時過ぎに正住寺に着いた。
主人は藩校の当番で出勤したが終了後に直ちにやってきた。
桜の花は未だ満開に至らない。
田中忠左衛門夫婦子ら四人と滝本源三郎と先に来ていた。
夕方には送礼があって、是はまた珍事だと見物した。
さてさてものの哀れを感じて気分がよろしからず八時頃に帰った。
魚三匹買ってきて一つ吞む。
出口で出がけに一盃出され食べた。おおいに気分よろしい。
安兵衞も来て一緒に食べる。

夜、廻状がきた。山本彦十郎からお目付衆の廻状。
これは観如院様が今月の二十四日の未の刻にご逝去になった。
ゆえに、今日から十七日野間月代禁止。
お側は二十七日の予定で日数については追ってしらせるとのこと。

※観如院
第12代紀州藩主徳川 斉彊の正室。近衛忠熙の娘




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