タワゴト日記

 未来は無限にあると思っていたが、有限を
感じさせる世の中、光をツールに少しでも楽しい毎日でありたい!

電話番号を残して

2010年10月14日 | Weblog


 午後四時ごろ電話が鳴る、普通の声ではない、「お父さんが倒れた

お姉さん早く来て!」叫びともとれる声に女房に代わる。倒れたK君

のもう一人の姉を乗せ三人、病院に駆けつける。道路はサラリーマン

の帰宅ラッシュと、秋のつるべ落としの日没が重なり、いやがうえに

も気がはやる。肩に力が入り緊張する運転、もっとゆっくり気をお付

けてと自分に言っているのか?姉妹二人が言う。

久しぶりの病院前で口数の多い二人を降ろし、少しはなれた駐車場を

探す、すぐ見つかりほっとする。

K君はICU、HCUなどが隣接するベットに寝ていた。呼びかけて

も反応が無い。自呼吸もままならず、呼吸器と血圧を上げるクスリ、

脱水症を防ぐくすりなどの点滴に繋がれ、生かされていた。

バス停で気分が悪くなり、電話番号を残して倒れたらしい。救急車で

病院に運ばれた。小脳出血で場所も悪く、出血量も多く手術もできず

危篤状態である。あまりにも突然の出来ごとであった。枕元には、僕

より9歳若いK君が倒れる前に残した電話番号のメモが、家族の涙に

濡れていたのを見た。写真は文章と無関係。