切り絵

浮世絵を切り絵に

広重 六十余州名所図会 伊賀上野

2013年02月13日 | Weblog

伊賀上野」  三重県伊賀市

 伊賀国は、現在の三重県西端部に位置し、東と北は伊勢・近江に続き、南と西は大和と交わる。上野は芭蕉の出身地として、また上野の郊外にある鍵屋(煙草屋の名)の辻は荒木又右衛門仇討の場所として有名である。遠方に描かれているのがおそらく上野城で、筒井定次が文禄年間(一五九二~九六)に築城したものである。しかし、筒井定次は慶長十三(一六〇八)年、家臣中坊秀祐に訴えられて幕府より封土を没収され、安濃津(現在の三重県津市)に入封した藤堂高虎が城主となって以来、代々藤堂家がこの地を治めた。本丸の南、愛宕神社のそばに蓑虫庵がある。「蓑虫の音を聞きに来よ草の庵」の芭蕉の一句から、門人の服部土芳は自分の些中庵という号を蓑虫庵と変えた。芭蕉は帰郷ごとにここに滞在し、多くの人々が、ここで芭蕉に教えを乞うた。東南は大きく開け、国見山その他、伊賀連山を望む閑雅な地であった。

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