切り絵

浮世絵を切り絵に

広重 富士三十六景 信濃塩尻峠

2016年08月16日 | Weblog

「信濃塩尻峠

 中山道の塩尻峠は諏訪盆地と松本盆地の境にあり、太平洋に注ぐ天竜川水系と日本海につながる信濃川水系の分水嶺でもある。富士の見る情景は坂を下ってくる人の背後に諏訪湖と富士が見えるという設定になっている。江戸から中山道を進むとき、塩尻峠は富士を目にする最後の地点となる。多くの旅人が富士を振り返って名残を惜しんだことであろう。夕暮れに雁の群れが帰って行く日の名残の憂いも重なり、富士への惜別の思いが伝わってくる。

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