切り絵

浮世絵を切り絵に

富嶽三十六景 江戸日本橋

2025年03月10日 | Weblog
日本橋は、江戸の中心として、また諸街道の始まるところとして、特別の重みを持っていたので、様々な絵師によって描かれた。北斎は、これを富士と組み合わせることで、富嶽三十六景のひとつに仕立てたわけだ。だが、これが実景と異なることは、土地の人なら誰も気づくだろう。絵は日本橋の上から江戸城方面を眺める形になっているが、富士はその方向には見えない。したがってこの絵は、北斎の拵えものだとわかる。日本橋そのものは、画面の手前の方に一部だけ姿を見せている。橋の欄干に擬宝珠があることから日本橋だと判るのである。
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