ちょいボケじじいの旅・酒・エーとそれとね

毎晩酒を愛で古き日本と温泉を愛す、少し物忘れも出始めた爺が、旅日記やコレクション自慢などと、時々の興味のままを綴る。

チベット仏教曼荼羅の尊像名を調べてみたら

2022-12-25 13:11:11 | 工芸絵画骨董

 松本家具の中央民芸先代創始者が有名な目利き収集家ということもあってのことか、信州松本には変なおもろいものが見付かることがあって、そんなわけで思いもかけず購入したチベット仏教の古い曼荼羅、お不動さんみたいな憤怒相の尊像の名前が分からずいろいろ調べてみたら、とあるサイトで似た図を見つけ問い合わせてやっと知ることが出来た、チベット曼荼羅は緻密な絵ほど、また古いものほど高価とは聞いていたのだが。

 松本の中町通にザサンという東南アジアのアンティークを中心に個人で現地買付して販売する店がある、ここには松本に訪れるとほぼ毎回立寄ってみるのだが、10年ほど前に壁に掛かっている大型の図を見て気に入り買ったのがこの曼荼羅である、48*63cmの大きさに切り取った額は帰ってから吉田町のいつもの画材屋で誂えたのだが、その際に主人も布に顔料を使って描かれたこの絵を実に面白いと誉めていた。

 火炎後背に人頭の首飾り、憤怒相でまさに飛びかかってこようという姿は不動明王よりおどろおどろしき図象でいかにもチベット密教風、廊下の薄暗いところなら神秘的でいいだろうと飾っていたのだが、尊像の名前はこの異様な姿から人に聞いたら大黒天ではないかと、でも大黒なら黒い身体のはずだがこれは赤いけれど、色違いでも変形図の同じ尊像かと思っていた。

 それがやはり黒と赤では大違いでした、赤いほうはこの図では独鈷を持つヴァジュラパニという尊像だそうで、日本では金剛手菩薩すなわち金剛力士のこととか、そういえば山門で守る阿吽の仁王様は赤い身体ですよね、でも日本のほうはちょっとばかり愛嬌があるけれど。

 チベット曼荼羅は日本山岳会員が会津若松でやっているアナンという店の2階ギャラリーに展示しているものをみせてもらったことがある、ヒマラヤ登山の際にネパールで求めてきたというのだが、ルーペで見ることができるような凄まじく細密部まで描かれた仏像を一面に沢山配置した100年以上前の曼荼羅は7桁の値段が付いていた。

 

2009年1月版からの再掲ですが、この曼荼羅図は今も同じ場所で睨みを利かせていますよ。


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