
この団体客のガイドはフランス語と英語を担当する女性と怪しい日本語ができるフランス人オッサンの二人で日本人は7名。高速道路で一路シャンパーニュの中心都市ランスに10時半頃到着、古代ローマ時代の門や市庁舎の前を通ってまずは市内にあるシャンパンメーカーのマム社の見学。地下岩盤を掘って造られたカーブを回って製造過程の講釈を受けながら熟成庫の様子を見物、地上に戻ってグラス一杯だけの試飲であとはお買上げ下さい。確かにシャンパンを名乗るには十分な熟成と澱除去の手間が掛かるからお値段が高くなるのは仕方ありませんね。でも幸いに僕はシャンパンに限らず発泡ワイン系はそんなには好みませんからここでも安上がりにできていますよ。何でも中国などの新興諸国でシャンパンの消費が急激に伸びて品薄となり、シャンパン用ブドウ畑を追加認定する動きがあるようで、土壌などの調査で認定された畑の値段はそれまでの農地の100倍にもなったなんて話があって、すぐ近くの認定もれのオーナーなどが猛烈に政府に抗議しているとか、でも新しい畑からのシャンパンはブドウを植えて3年以上で収穫が始まりそれからまた3年以上の熟成を経て出来てくるのですから当分は高値が続くでしょう。マム社の創業者はドイツ人でこの地のシャンパンが好きで始めたのですが、第二次大戦で敵国として牢獄に繋がれこの会社も取上げられたと、そういうことはほとんどの人がもう言わなくなっているけど本当はよくないことだったよとはフランス人ガイドさんの弁、意外と正直なオッサンですねぇ。 次はすぐ近くのランス大聖堂、ここもノートル・ダムというのはマリアに捧げたという意味でこういう聖堂には由来する聖人が必ずいるのです。ここがフランスでも特に重視せれるのは、国発祥となるフランク王国初代の王クローヴィスがキリスト教に改宗してここで戴冠式を挙げたことから以後歴代の王も倣って戴冠式が行われる場所になったからだそうですが、残念ながらドイツ軍の戦火を受け修復されています。でもこの大聖堂もゴシックの立派な建物ですねぇ、中に入って今いる場所、昔は教会内の広間には椅子などはなく巡礼者たちの寝る場所だったと、それで毎朝修道士達が掃除する排水を外に流すために床全体にやや勾配があるというのはヘーなるほどとガイドの説明でもう一つこういう教会建築の造り方を知りました。入口上部にある珍しい微笑みの天使像、奥の外周円形通路にある祭壇の構成とお参りの仕方、あとから司教が購入したというカラクリ時計の時報での子供だましみたいな仕掛見物などなど、最後にステンドグラスを観賞するにはオペラグラスみたいな双眼鏡を持ってきてくださいだと、やはりガイドはダテじゃありません。 一通り見物が済めばランス市街の自由散策で一時解散、各自で昼食というのでここでも手っ取り早いテークアウトで済ましてしまったのだが、フランスでイタリア風フォカッチャなるもの、店内の専用機械で焼きあがるのを少し待つのだがこれは旨かった。メリーゴーラウンドなどもある繁華街を戻れるように方向感覚に注意して右往左往、商店街は原価割れのバーゲンではないもののセールの時期に入っているようで値引%の表示がある。ガイドがここのシャンパン以外の名物といっていたピンク色のウェーファーみたいなお菓子だけを女房が買っていました。 続いてはドン・ペリニョンで有名なモエ・シャンドン社があるエペルネー村にシャンパン用ブドウ畑を眺めながら移動、村と言っても中心部は立派な街でパリだって少し離れれば田園、どういう区別をしているのだろう。このシャンパンメーカーも創業者の手を離れてかの有名なルイ・ヴィトンが親会社になっていることは知っていた。ここにはバッグでもお得意さんの日本に敬意を払っているのか、日本人専用女性案内人がいてナポレオンも訪れたという建物から回って会社案内ビデオを見させ、地下カーブを案内、最後に試飲をさせて地上売店に戻る。もうマム社であらかたの説明を聞いていたので目新しいものは無いが、こちらの地下の規模はさすがに大きいしより湿気がある感じ、最も古い場所は手彫りの跡が残り風格がある。また使うブドウとそれから出来る白ワインのテースティングと調合を大地からの恵のオーケストラの例え、熟成期間なども基準以上に十分とって最善のものを作っているという宣伝は忘れていません。こちらのシャンパンはさらに高いです、特に良年に作られるヴィンテージものはもっと格上、今出荷されているのは2000年物でこの年のものにはヴィンテージものもあって確か47€ の値札がついていた。 4時半にはバスでパリに向い、市内に入ってやや渋滞していたものの6時半にシティラマ社前に帰る。この程度の旅行なら楽チンですね。