コーヒーカップが続いたのでちょっと目先を変えましょう、ということでアフリカの絵はどうですか、これを見るとエチオピアはキリスト教の国だったんですねぇ、なめし皮に描かれた絵はイエスを抱いてどこかに旅するマリアさまなのかな、クリスチャンじゃありませんからこの絵解きはできませんが。
この絵はアフリカ雑貨や染布などを扱う卸売店のバーゲン品の中で見つけたもの、単純素朴なところに惹かれたのとあまりにも安かったので購入したのですが、安いせいか皮の一部が欠けて角になっていないのを、敢えてそのままに見せて額装してみました。
エチオピアはビザンチン帝国時代に分離したエジプトのキリスト教コプト派が広まったとは聞きかじりでは知っていましたが、こういう絵が今も描かれているということは、イスラム世界に囲まれていてもまだ健在なのですねぇ、調べたらコプト派では聖家族のエジプト逃避の言い伝えから、特にマリア信仰が盛んなのだそうで、この絵はその時の旅をあらわしているのですかね。
ユダヤ教やイスラム教は偶像を認めないからこういう絵は有り得ませんし、キリスト教も最初はそれに倣っていたと聞いたことがあります、でもギリシャ文明からローマの洗礼を経たビザンチン正教ではイコンが盛んだし、カトリックも宗教美術は絢爛豪華、仏教だってガンダーラで仏像が生まれたし、でコプト派もそういう流れを受けているのでしょうか。
とにかくも、今でも紙のない昔の伝統のままに皮素材に描いているのが面白いし、宗教とは関係なくとも好ましい絵じゃありませんか。
2009年2月からの補筆再掲です