ちょいボケじじいの旅・酒・エーとそれとね

毎晩酒を愛で古き日本と温泉を愛す、少し物忘れも出始めた爺が、旅日記やコレクション自慢などと、時々の興味のままを綴る。

旧HPからの移行版***匠のまつりは骨董まつりでもあるんです 2001.11.3(土)

2012-11-29 16:18:38 | 旅日記

 笠間と益子は5月連休と11月のシルバーウィークの時期には陶器市をやっている。特に笠間の方は春は陶器中心だが11月の匠のまつりは骨董店の出店テントも多く、加えてこの近辺が花崗岩の産地なので石屋も作品を展示販売(ストーンフェスティバルも兼ねて)していてかなり面白い市になっているのです。あたかも品質が良いことで有名な常陸蕎麦の産地金砂郷では新蕎麦のまつり、これは出掛けてみないわけには行かないでしょう。

 あんまり早く行ってもやっていないし、遅ければ高速が混むしで見計らって朝6時に出発、多少首都高速は渋滞しだしたがあとは順調で、岩間ICで降りて8時半にはまず第2会場の笠間稲荷(伏見、豊川と並ぶ3大稲荷)近く、骨董市の方に到着する。店は9割方開け始めたところで客はまだまばら、30程度のテント店が並ぶ会場をやや侘しく廻りだす。というのは、2年前来た時は工芸の森公園で陶器、石の祭と一緒の会場でそれはにぎやかだったんですよ、それがこんな殺風景小さな会場に移っちゃったのというのがまず第一印象。何で分けちゃったんだと聞くと、一緒だと骨董の方が人気があって陶器屋の売れ行きが悪いんだそうで、それを嫌われて場所が去年から変わったとか。つまらん根性のやつが多いですねぇ、一緒に競ってやれないんですかね。

                             骨董市は寂しくなってしまった

 という訳でぐるぐるっと2回りして目ぼしい物はあんまりないなと、そんな中でも数点はと興味あるものをめっけ。で買った物は見た目には上布風だがやや絹も入っているのか手触りはやや柔かさがある細かい絣模様の古着(滋賀の方の業者から仕入れたとか)、女房が羽織ってみて少し裾を詰めてやれば洋服の上からこのままでも着れるわと1枚だけを購入。

 もう一つは笠間では人間国宝松井康成(練込でどうしたらあんな模様が出せるのかという作品を作る)に次ぐ伊東東彦の大皿ほか3点を計100万円の値で最前部に展示しているテント、奥に感じの良い赤の地に女性の図案風の絵があるので聞くと、二科会の大沢昌助作というリトグラフだそうだ、寝室のフックが一箇所空いていたのでちょうどよいとこれも買ってしまった。

                                    大沢昌助作リトグラフ

 こんなところで10時前には第1会場の芸術の森公園の方に行く。市街から公園へ行く坂道ギャラリーロード沿いには真新しいシャレたレストランやカフェが数軒出来ていて、こういうのを見ると女房は次に来た時はこんな店に寄ってみたいわ是非予定に入れておきましょうなどと、僕は知らんフリを決め込んじゃう。笠間は日動美術館近くには前々からちょっとおしゃれな雰囲気のレストラン、ジャスパーやポーム・ド・パンなどがあったが、モダンなというのもここの土地柄なのかな。

 会場近くの駐車場はもう間もなく満杯という盛況、陶器屋や個人作家、石業者、地元農産物や食べ物などのテントが広場一杯に配置され、中央のアトラクション舞台では地元の祭のお囃子が演じられている。匠の祭りという訳は陶器だけでなくこのあたりは花崗岩の産地で石工も盛んだし、さらに骨董市や一部木工も加えているから名付けたんだろうから全部同じ場所でが本筋、でも僕もやっぱり骨董の方に6割の比重(陶器3、石1)になってしまいますがね。ここも何回か来ているけれど、自分の好みというのは変わらないものです、ちょっと良いなと中に入る店は概ね毎年同じになってしまう、今回も目についたのは柊・土工房、小久保勝司、玄眇窯、柏陶園、外山亜基雄など。笠間に来るといつも寄るかつら陶芸はここでは東南アジア雑貨などを並べ陶器はあまり置いていなかったし、きらら工房は白地のものだけしか出していなかったからそれらが気になったら別途店舗にも回らないといけませんな。

 ここから学んだ益子焼が浜田庄司により民芸という形に特徴が出来ているのと比べると、ここ笠間はこれが笠間焼という典型は無いように僕は思っているが多様なところが逆に魅力で、やや女性的な感じの焼物が多くて益子より品が良いように感じられて、やはり女房はこっちの方が好きだそうだ。陶器市としての魅力は値段や規模などで多治見の方が上ではあるが、石や骨董を加えてという面白さで魅力があったわけで、その良さをより生かす工夫をすることはあっても、つまらない商売根性は無くして一部を弾き出したりしたら先が思いやられるというのが僕の意見、そんなこんなで今回は陶器では特売品の変り皿5枚と花崗岩のフラワーポット入だけしか買わずでオシマイ。

<その後もこのままの匠のまつりが継続していたが、どういうわけか2012年秋からはこの祭りは笠間浪漫と名称を変え10月に早められてしまった。こうなると笠間稲荷の行事とは別の時期となるわけで、遠方から両方を見物したいという観光客には不便になりますな、さて今後はどうなりますか詳しい事情は分かりません。>

                             匠のまつり会場

                               会場内

                                 猫がモチーフ

                             ストーンフェスティバル

                             陶芸関連のいくつかの施設がある

 なおこの眺めの良い公園内工芸の丘には茨城県陶芸美術館(冒頭写真がその建物で、ここは入場料も安く、これまでの人間国宝になった人の全作品が常設展示されているし、さらに茨城出身の大家板谷波山の作品の展示コーナーもあって、また喫茶室やミュージアムショップも充実している)や地元作家たちの作品の展示即売所、陶芸教室や登り窯などが整備されており、陶器市の時に限らず立寄りたい所でもある。もうひとつこの日の催しとしては流鏑馬があるそうで、道路の片側に山砂を入れ交通規制していたが、鎌倉や三浦海岸でも見られるなんとか流の同じ面々かなと思いつつ先を急ぐことに、それに笠間稲荷境内の菊まつりも僕はあんまり興味もないしで。

 それで今日のもう一つの目的、常陸蕎麦の名産地金砂郷の新蕎麦秋まつりで蕎麦を食べようと12時前に笠間を出て、1時前には役場近くの駐車場に車を入れる。ここの蕎麦まつりはかなりローカルな感じでそんなには遠方客は居ないようで、中央のこじんまりした祭り会場にあくまで蕎麦だけが中心で関連したものとして蕎麦道具店までが店を出していたぐらい。ほかに少しだけあったテントでは地元産品(僕の大好物、大子町三宝食品の生湯葉、麻呂宇土のチーズケーキや山方町丸真食品の舟納豆も見つけた)販売やシルバーグループの竹細工、オープンスペースでは小さなフリーマーケットなど、さらに近くの公民館内では子供蕎麦打ちコンクールや趣味の作品の展覧会などとやってはいたものの、あくまでささやかなものであった。

 蕎麦は地元や周辺の町の店や同好会など中心に10店舗のテントで、もり、けんちんそばが全て400円と量からするとまあ結構なお値段になっている。3店だけ食べてはみたが、第6代蕎麦打名人が打っていたいばらぎ蕎麦の会(同好の士の会で名誉顧問は会津桐屋の店主唐橋宏とか)のもりは蕎麦と汁とも申し分ない旨さでさすがだと、隣のテントの山都(こちたは唐橋氏の出身地)は細い蕎麦は風味とコシは文句なしだが汁は化学調味料が強く今一つ、金砂庵のけんちんは蕎麦のコシがもう一歩だし刻みネギが強くてやはり蕎麦は冷たい方が美味しいという結論となったがこれはあくまでも僕の好みだからね。食べた所のスタンプを貰って3箇所以上食べたら一回抽選でお土産をとか、一人で8店なんていう輩も居たようだが、朝から居つづけにしてもねぇ、喰い過ぎだよと、それに10店全部だと4000円にもなってしまいますよ。次回からは量を少なめに値段も下げて、多くの種類をというサービス精神を期待しまーす。1時間ほどで帰ろうという我々には蕎麦湯も飲んだらこの量でも3杯でもう十分であったが、本当に旨いものは少なめでがまたいいんですよ、後に未練を残すぐらいが。このあと車で5分ほどの所にある地下天然水を沸かす、金砂の湯(500円、金砂庵はここに併設している店である)に入ろうかとも用意して来たのだが、雨が降りそうで遅く帰るのもと取りやめ、もう一つの目的那珂湊で魚を買って帰ることにしてまたも車を走らす。

                             金砂郷の新蕎麦秋まつり

                             名人たちの手打ち風景

 ナビに従って約1時間ほどで那珂湊に到着、ここには何でも売っている大型5店舗(森田という店が一番繁盛しているようだが)と干物類や少量の鮮魚のみの小型店、回転寿司や魚料理店が漁港前に集まり、値段は関東では一番安いと思います。ただし、今が旬のサンマなど少なくても10匹単位、安く買おうとすれば一箱単位(40匹入り1500円など)と大量に買わせるようになっているので、ご近所さんへのお土産にバラまいてやっちゃおうかなのノリで買うのだったらお買得ですよ。この日は一番小さいタラバガニ1.3kgが1500円、目光500円/20匹、マグロ大型柵2切1000円など、雨が降ってきたので客足が落ちると値引開始となって、ついつい買い過ぎてしまうんですねぇこれが。こんな風で自分で裁かにゃならない魚を沢山買い過ぎると帰ってからが大変なのですよ、いつもこれには反省でーす。

 4時には家路に、北関東自動車道が那珂湊まで伸びて道路条件は非常に楽になってはいるものの、首都高速が相変わらずで向島で降りてしまって昭和通に出て、品川から五反田経由で横浜の我家まで3時間ほどで午後7時頃に帰宅、それでも何箇所か廻った割には早く帰られてよかったね。

  店データ

     ジャスパー               笠間市笠間 980        0286-72-7778<閉店したと思われる>

     ポーム・ド・パン             笠間市笠間 2698       0286-72-3333

     チェルキオ               笠間市笠間 2642-5     0286-70-1242

     カルニエ                 笠間市笠間 1351-2     0286-70-1118

     かつら陶芸               笠間市下市毛 47       0286-72-6688

     きらら館                 笠間市笠間 2258-1     0286-72-3109

     丸真食品                山方町山方 473        02955-7-3337

     三宝産業有限会社 ゆばの里   大子町塙 734          02957-2-8551

     金砂の湯                金砂郷町上宮河内 321    0294-76-9919

     ワイルドライフ             友部町小原 4482       0296-77-4682

                     


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