前回は登録文化財になっているという町内に点在する古民家を見て回るだけのもので、ちょっとした店は工芸品などを販売する大谷石造りの蔵布都ぐらいだったのだが、ひなまつりをやり始めてからだろうけれど古布を使った吊るし雛作りの教室やその販売店などがいくつか出来ていて、そういうのを習っている女房は大喜び。これなら柳川のつるしもんや酒田の傘福に迫るほどで、稲取の吊るし飾りよりいいわだと、確かに無料で全部見られるからね。
蔵布都
吊るし雛かざりは教室がいくつかあって
また今回は以前より公開する古民家が増えているし、通りから見えない奥庭の蔵なども活用するようになっていて回遊性が高まっている。
旅館奥の蔵をカフェに
加えて造り酒屋などや古い醤油蔵らしきも開放しているから、その敷地内広場や付属建物でもいくつかの催しをやっているから期間中のまつりを演出するのに役立っている。またここ真壁は稲田石の産地石岡などと共に石工が盛んだから、そういう会社による展示もあって笠間の匠のまつりミニチュア版も味わえる。さらに古民家を町が借り上げているのか農産物直売所(冒頭写真の右の古民家)やすいとんテークアウトショップがあったり、座敷での休憩所を設けたりと皆さん頑張っておられる。
村井醸造敷地内
石のおひなさま 花のおひなさま
そんな中で目に付いたのは藍染と押花の展示販売、特に村井醸造内の蔵でこの期間だけやっているという、市が真壁藍の伝統を守ろうと運営している真壁藍工房で地元の人たちが染めた布や衣服を即売していて、お値段が商売じゃないからとても安いと目を輝かす女房。藍一色の濃淡のクロス2枚は習っているアイヌ刺繍にピッタリの生地だとすぐさまお買上げ、ほかにも手拭ぐらいの大きさの染めも我家の丸テーブルか軽井沢の台所前のカウンターに敷いたらいいかなと。まだまだ眼が輝く女房は上着までも買ってしまって、おひなさまを見に来てこんなものを買うとは思いもしなかったわと、これは後悔よりうれし顔ですね。造り酒屋の試飲なども運転手の僕が飲まないのをいいことにして自分一人でカッポカッポと、ひなまつりは女性が主役だからしょうがないか。でも布細工のアクセサリー類なども欲しかったらしいけれど多少は我慢したようだね。
期間特設藍工房 濃淡2種類の藍染クロス
最後に真壁のお土産になると思われるのはお菓子屋が多いこと、女房の話では午後3時頃には売切れ商品が多くなっていたそうだ。また途中のメロンパン移動販売者の焼きたてはフワフワアツアツで美味しかった。駐車場前の豆腐屋でも3時過ぎの帰りがけには品数が少なくなっていて、がんもどきだけを買ったのだが、その晩に表面だけ焼いてこれも買ったきた七味を振りかけ、醤油をたらして食べたら思いのほか中身がギッシリ詰まったシッカリ味、これは薄味で煮てもいいんじゃないかな。