
斎藤清、畦地梅太郎の作品に続いて同じく大型の木版画として、特に大きい作品に拘ったという橋本興家の作品が一つだけある。それにしても木版作家界の大家の皆さんは3人とも90歳以上の長命というのがすごいですね。
題材は彦根城で、こちらも義父が何処かから手に入れたもので出所来歴は分からない。この作家は風景などを中心に大版の木版画を製作、特に日本の城郭を多く描いていて、これはその一つである。鳥取県船岡町出身で名誉町民となったそうで、地元新聞だったかに載った、何故大きい作品ばかりに拘るかという質問に対するインタビュー記事を何処かで読んだ記憶がある。
現存する彦根城の天守閣にはにはもう2回登っているが、かなり質実剛健な城でかなり急勾配の道を登ってたどり着くという戦さを意識した造りであった。場内には美術館もあるし、場外の庭園も有名だが、堀の外からはかなり高い位置に天守閣の上部だかがかろうじて眺められるという配置だから、こういう図柄が見える場所があっただろうか。まぁ版画はデザイン性が大切だからかなりアレンジした構図でしょう。僕自身はそれよりアオサギのコロニーが木々の上に沢山あったのだけはよく覚えていて、そういうのは画題にはならないか。
ここの庭園内には昔からの建物を利用した和風旅館があって、以前に泊まったこともあったなぁと。でもこの絵のような紅葉の季節というのは一昨年の秋に琵琶湖までせっかく来たのに、お城を訪ねなかったのは手落ちでした。琵琶湖周辺は見所も多いからまた時期を見計らって出掛けましょうかね。