先日、オバマ米大統領が54年間も敵対関係(more than a half-century of enemy) にあった隣国キューバとの外交関係の回復 (the restoration of full diplomatic relations) を突然発表した。歴史に残る大変すごい出来事である。
アメリカ合衆国のわずか南145㎞に位置するカリブ海 (the Caribbean Sea) のキューバ島[面積は日本の本州の約半分]は発見されてからスペインの植民地 (colony) となり、1898年の米西戦争(スペイン・アメリカ戦争 / Spanish-American War of 1898)で米国が勝利。後の1902年に米国依存の独立国 (independent state) になった。1959年革命政権 (revolutionary regime) が誕生しフィデル・カストロ (Fidel Castro Ruz) が首相に就任。冷戦時代のソ連に急接近し正式な外交関係を結び社会主義国となった。それ以来、米国と敵対関係にある。2008年健康上の理由でカストロは引退し、現在は弟のラウル・カストロ (Raul Castro Ruz) が議長(国家元首・首相)になっている。人口は約1100万人。
両国の関係で最も有名なのに『キューバ危機 』(Cuban Missile Crisis)がある。1962年10月14日~28日の大事件で、米ソ間の冷戦の緊張(the tension of Cold War) が、核戦争(nuclear war) 寸前まで達した危機的な状況が起こった。簡単に言うと、当時のソ連(the Union of Soviet Socialist Republics) の首相ニキータ・フルショフ(Nikita Khrushchev) とフィデル・カストロとの合意でソ連がキューバに弾道ミサイル(ballistic missiles) を配備することになった。それに危機感を感じた米国がキューバ周辺の公海上の海上封鎖(a naval blocade over international waters) 及びソ連船の臨検(official inspection) を行うことでソ連船のキューバ入港を阻止しようとした。この緊張した状況の中で、ジョン・F・ケネディ米大統領(President John F. Kennedy) とフルショフ首相が何とか交渉しその結果、この最悪のシナリオは回避された。このキューバからのソ連核ミサイル配備の撤退によって、米ソ間で合意されたのは ① (ソ連の脅威となっていた)トルコからの米核弾頭の撤退 ② 米国は挑発的にキューバを侵略しない ③ 米ソ間の「核ホットライン」の設置などである。
政治的、経済的、そして社会的に色々な思惑が (views and opinions) があって、キューバ国内・米国内はもとより世界中で賛否両論 (the pros and cons) が飛び交っているが、平和でキューバの人々がもっと豊かで幸せに暮らすことができればこの動きは歓迎されるべきである。
話は変わるが、アメリカ大陸 (American continent) におけるスペインの影響力 (influential power) は大きくスペインの植民地化は15世紀から17世紀にかけて活発だった。現在、アメリカ合衆国は勿論、キューバを含む中南米諸国33ヶ国の内、18ヶ国でスペイン語が公用語 (official language) として話されている。他の12ヶ国は英語圏で、ブラジル(ポルトガル語)、ハイチ(フランス語)と スリナム(オランダ語)の3国のみが独自の言葉を使っている。
□YS
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