読書日記 嘉壽家堂 アネックス

読んだ本の感想を中心に、ひごろ思っていることをあれこれと綴っています。

仕掛人・藤枝梅安1 殺しの4人 池波正太郎 講談社文庫

2005-08-07 21:36:13 | 読んだ
暑い暑い日々、なんだか落ち着いたモノを読みたい、と思って本棚を探ったら、これが目に付いた。

池波正太郎のシリーズ物、といえば「鬼平犯科帳」「剣客商売」とこの「仕掛人・藤枝梅安」である。
そのなかで、この仕掛人シリーズは、あとの二つと比べて異質である。
主役が通常で言えば「悪人」なのである。

だから、暗く重い部分が多い。結末もからっとしているようだが湿っぽい。
ということで、私はあまり好まないでいた。

池波正太郎はあとがきでこの物語の主題を

人間はよいことをしながら悪いことをし、悪いことをしながらよいことをしている

としている。

藤枝梅安はこのようなことをしている。
カネで人殺しを請負い、ながら、カネだけではないことをしている。

それは藤枝梅安がそれまで背負ってきた人生を、これからの人生に生かそうとしているからだ。人生とはつながっているものなのであって、そのときだけではないのだ。

続いて2巻以降を読んでいこうと思っている。
コメント
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