読書日記 嘉壽家堂 アネックス

読んだ本の感想を中心に、ひごろ思っていることをあれこれと綴っています。

女流棋士 高橋和(やまと) 講談社文庫

2005-08-26 23:12:53 | 読んだ
著者は高橋和(「やまと」と読みます)。
女流棋士(将棋のプロ)です。今年2月に引退しました。
この人の自伝です。

で、私が興味を持ったのはというか読みたかったのは「棋士時代」のこと。どのような将棋を指し、勝負をしていたときの気持、負けたときのショック・・・

ところが、この自伝の多くはプロになってからの部分、そして将棋の話が少ない。
ここでチョットガッカリした。

高橋和は、4歳で交通事故にあい、左足に障害をもつことになる。
このことは「やまと」本人と両親におおきな心の傷ともなる。そのことがこの自伝の「主」の部分となっている。

中学3年生で「やまと」は女流プロになる。

プロになると本来は「強い」ことが人気の要因になるのだが、「やまと」は「可愛い」ということで人気がでる。「棋界のアイドル」になってしまったのだ。
私も、将棋世界の本などをみて「おお、可愛い女流がでてきたな」と思ったものだ。
将棋の強烈なファンでもない私でさえ「やまと」を知っているのだから、将棋ファンの間ではすごく有名になってしまった。

人気は出るが、実力はナカナカ追いつかない。
このことが「やまと」の将棋人生を追い詰める。

その辺のことが知りたかったが、わりとあっさり、流されてしまった。
それでも「読める」エッセイではある。

尚、彼女は現在、小説家の大崎善生夫人である。
コメント
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