読書日記 嘉壽家堂 アネックス

読んだ本の感想を中心に、ひごろ思っていることをあれこれと綴っています。

一輝まんだら 手塚治虫 角川書店(角川絶品コミック)

2006-08-24 18:25:33 | 読んだ
最初の舞台は1900年の中国、清朝末期。

三娘(さんじょう)は、貧乏なため税を納めらず棒叩きの刑にあい、なおかつ侮蔑を受け、役人を殺す。
それから、三娘(さんじょう)は数奇な運命に翻弄される。

殺人の罪で終われ、義和団に拾われ、日本人の軍人と出会い、上海に行き革命と出会い、日本へ亡命し、北一輝と出会う。

とまあ筋だけでも波乱万丈なのに、その合間合間のエピソードもすさまじい。
怒涛のごとく物語は進むのである。

そこに描かれているのは悲惨な世界である。
平和などひとつもない世界である。
それでも人は生きているし、恋もしている。

秩序、が明確にあった時代。
その秩序に疑問をもつことが許されない時代。

最後がなんだか尻切れトンボのカンジではあるが、なかなか面白かった。
でも、手塚治虫はこのマンガで何を社会に問うたのだろうか?
コメント
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